09月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11月

スポンサーサイト

--/--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- スポンサー広告

願い

2009/05/24
おはようございます。

日曜日ですね。本当に土日ってなんて短い。
昨日はお出かけで家的御用がお留守だったので今日は頑張らねばなりません。

昨日はキムタクドラマを見た後、ララを読み返し浸りました。
たっぷリどっぷり浸りました。

弓先生の郁ちゃんは本当になんて可愛いのでしょうねぇ。
堂上さんが可愛く思うのは当然でございまするよ!!!!


ネタバレはいかんいかんということでお口チャーーーーック★


今日はSSなのですが、ずいぶん前に書いて蔵においてあったので少しホコリが(笑)
多分蔵出ししてないと思うのですが……もう出したかどうかもわかっていない辺りダメダメですね。(微笑)
もし既出とかぶってたらごめんなさい(オイ!)



堂郁 恋人設定 年齢フリー テーマ:勘違い。ギュギュッと痛いので注意





使用済みの資料を片づけていたら随分と遅くなってしまった。
とはいえ、まだ堂上や一部隊員が残っている程度の時間である。郁が事務室のドアまで来ると中から堂上と小牧と思われる声が漏れ聞こえてきた。

「本当にいいの?笠原さんショック受けるんじゃない?」

小牧の声で紡がれた自分の名前に郁はドアノブに延ばしかけた手をとめた。

あたしがショック?

「仕方のないことだ」
「それはそうかもしれないけど――」
「笠原には俺から言う」
「本気で別れるつもり?」
「冗談でこんなこという訳がないだろうが」

聞こえた単語に郁は耳を疑った。

今、堂上はなんといった?

別れる、そう聞こえた。

単語が飲み込めた瞬間、郁はその場を走って離れた。


なんで?
どうして?

一昨日二人で手をつないでデートをしたばかりだ。
スーツの下で揺れるネックレスだって先月堂上にもらったばかりのものだ。

いくら考えても原因が分からない。
怒らせるような事をしたのだろうか。
それとも、他に好きな人ができたのだろうか。

鞄も持たずに郁はそのまま寮の自室へと走った。
携帯と鍵だけはスーツに入れっぱなしだったのが幸いした。
部屋に飛び込んだときには溢れ出た涙は決壊寸前で、後ろ手にドアを閉めるなり目尻からこぼれ落ちた。


「っ――」

思わずその場でしゃがみ込むと、背後でドアが開いた。
当然ノックもなしでドアをあける人間は一人だけだ。

「ちょっと。笠原何やってんのよ。こんなところにうずくまって。気分でも悪いの?」

驚いた風の柴崎の声に頭を左右に振って答える。
嗚咽で声がうまく出ない。

「あんた、泣いてんの?」
「し、ばざぎぃ」

綺麗な柴崎の脚に抱きつくと柴崎の体がよろめいた。
「ちょっと落ち着きなさい。話聞くから、まず部屋に入って。服着替えなさい」

柴崎の言葉に頷いて郁は抱きついていた腕をほどく。
そして部屋に入ってのろのろと服を着替えた。

背後では柴崎も手早く着替えをすませ、紅茶を淹れてくれる。
湯気のたったマグカップがおかれた場所にクッションを老いて座ると柴崎がティッシュ箱を郁の方に差し出した。

「で?何で泣いてるのよ。何かあったの?」
「・・・・・・教官が」
「堂上教官?」
「別れるって、あたしと――」

郁のつぶやきがあまりにも衝撃だったのか柴崎が目を見開いたまま動きを止めた。
そして右手をストップの形で郁の方に向ける。

「ちょっとまって。順を追って説明して」

先ほどの出来事を柴崎に説明すると、柴崎が眉間に深い皺を刻んだ。
「前後に何か言ってなかったの?」
「そこは聞こえなかった」
「ならあんたと別れるかどうか分からないじゃない」
「だって!堂上教官が別れるっていったらあたししかいないじゃん。小牧教官もあたしがショック受けるとか言っていたし!」

柴崎はまだわずかに湯気の出る紅茶をフウフウと冷ましながら一口飲んだ。

「どう考えても何かの間違えとしか思えないんだけど?」
「あた、あたしだって!そうであってほしいっての」

けど、どう考えてみてもほかに思い当たらない。

郁が紅茶に口を付けると柴崎が「とにかく」と言葉をつなげた。

「どっちにしろ二人で話さなきゃならないんでしょうが。泣くのはその後でもいいと思うわよ?」
「鬼ー」
「違ってたら無駄泣きだっつってんの。優しいアドバイスでしょうが」


確かに柴崎の言うとおりではある。
早とちりかもしれない。

けどもしも面と向かって言われたらその場で泣いてしまいそうだ。
せめて、覚悟をしないと――

郁は程良くぬるくなった紅茶を
ゆっくりと時間をかけて涙とともに飲み込んだ。


                      ◆◆◆

その日から三日後、堂上に会議室へと呼び出された。
特別な失敗をした覚えはない。

そうなると、思い当たるのあの日の言葉だ。

指定された時間はすでに課業の終了時間を30分はすぎた頃合だった。
中に入ると堂上が既にパイプイスに座っていた。
難しい顔のまま腕組みをしている姿はこの先の辛い話を予告しているかのようで郁は息を飲む。

思わず、ドアを開けたまま足が止まってしまった。
そんな自分の臆病さに内心で失笑する。


ちゃんと聞くって決めたじゃない。

同じ勇気を出すのでも交際を申し込むのと別れを受け入れるのではこんなにも使う勇気が違うのだと初めて知った。

郁はできるだけ普段通りを装って堂上と向かい合う形でパイプイスに腰を下ろした。

「なんでしょうか」
「すまんな、業後に」
「いえ。大丈夫です」
「ちょっと話がある」

ああ、やっぱりと思った。
言いにくそうな堂上の顔に郁は苦い笑いをかみ殺す。
堂上にこんな顔をさせているのが自分だと改めて実感すると胸が痛い。

好きな人には笑っていてほしい。

一緒にいて幸せになりたいけど、それができないならせめて相手に幸せであってほしい。そう自然に思えた。

「大丈夫です。教官の言いたいこと分かってますから」
郁の一言に堂上がはじかれたように視線をあげた。
驚きに開かれた瞳にわずかな動揺が見えた気がした。

「どこで聞いた?」
「三日くらい前、資料片づけてたら遅くなって。事務室に戻ったときに小牧教官と話してるのが聞こえたから」
「――そうか。ならもっと早く言えばよかったな」
「心の準備したかったからちょうどよかったです」


郁はおもむろに自分の首もとに手を回す。
そしてもらって以来内勤の時はいつも身につけていたネックレスを堂上の前においた。

堂上が怪訝な顔で、郁のおいたネックレスと郁の顔に交互に視線を動かした。

「なんのつもりだ」
「それ返します。返せるものがそれくらいしかなくて」
「理由が分からん」
「持ってたらあたし教官のこと諦めきれない気がするから、だから返します。捨てて下さい」

一礼して席を立った郁の右腕を堂上が捉えた。

「待て、何か誤解してないか?」
「別れるんですよね」
「別れるは別れるが――」
「なら誤解じゃないです。教官とおつきあいできて嬉しくて楽しくてすごく幸せでした」

そう、凄く幸せだった。
今はこんなに胸が痛くて、悲しくて堪らないけど後悔は一片もない。

想いに永遠なんてない。解ってた。
解ってたけれど、心のどこかでこの時間はずっとこのままなんて子供みたいな夢をみた。

堂上が夢を見せてくれた。

大好き――。

目尻が熱くなる。そこから熱いものが溢れだすのは時間の問題。
大丈夫、と告げるように郁は笑みを作った。

堂上の視線がとたん厳しくなる。
掴まれた右腕に指が食い込んで痛い。

「阿呆!!誰がそんな話しをした!」
「だって!別れるって言ったらそのくらいしかっ」
「訓練の班分けの話だ、バカが!」

堂上の口から出た言葉に郁は硬直した。

今、なんて?

訓練?班分け?

「訓練の班分け?」
「そうだ。今度の訓練は1チーム10人前後に分ける必要があってな。バランス的に堂上班は別れて他班に混じることになったんだ」

間違い……?

ほっとした途端、身体から力が抜けた。
堪えていた涙もだらしなく目元を伝い落ちる。

郁が腕をとられたまま床に座り込むと堂上も片膝をついた。
見上げると、堂上が苦い笑いを噛み殺しながら覗きこんでくる。

「俺との別れ話だと思ったのか」

堂上の問いに小さく頷くとグシャグシャと髪をかき混ぜられた。
「そんな話だったらこんなところでするわけがないだろうが」
「そうかもしれないけど、もうプライベートで会うのも嫌になったのかなって思って……」

一気に緊張がゆるんで静かに伝うだけだった涙が一気に溢れだす。

勘違いだった。
まだ、終わりじゃない……。

「勘違いでよかった」

小さくしゃくりをあげながら涙を必死で拭っても後から後から泉の様に湧いて出る涙がなかなか止まらない。

「だから最近元気なかったのか」
「元気なくみえましたか?」
「無理して笑ってるように見えた」
「がんばったつもりだったのに」
「駄々漏れのくせになんでこんな時ばっかり――」


突然温もりに包まれる。
堂上の体温、堂上の香り。

てのひらから滑り落ちたはずのそれは、まだ郁の手の中にあった。


「よかった――別れ話じゃなくて」
「とんでもない勘違いしてくれるな」

郁が小さく頷くと耳元に温かくて柔らかな感触が触れた。
そのまま頬に繰り返し堂上の唇が触れて、離れる。

ここが会議室とか、課業後とはいえまだ勤務中だとか、そんな諸々は簡単に郁の頭から吹き飛んだ。

額に触れた唇に誘われるように瞼を閉じると、唇と唇が重ねられた。

会議室のドア一枚向こうの廊下を歩いてくる複数の足音と、雑談の声に郁が体を揺らしても、堂上の唇は離れない。

冷たい床で冷えきった郁の手のひらを堂上の手のひらが優しく包んだ。




永遠の約束なんかない

不変の想いなんかない


けれど

願う

貴方と出会えたあの日の奇跡

想いの通じた、あの日の奇跡


どうかもう一度


永遠に変わらぬ想いが続く、奇跡を下さい――



fin.








とんだ勘違いというお話でした。

堂上さんにしてみれば目玉落ちるほど驚いたでしょうね。
多分この日はこの後外泊、な。

もしくはなかなか戻らない二人がもめているかもと思った小牧さんが
大丈夫?と覗きに来て、床に座り込んでチュッチュしているのを目撃して
パタンとドアを閉めてくれるといい(笑)

堂上はどんな言い方したんだか――
やっぱり班分け、考え直した方がいいんじゃないかな?とこちらもとんだ勘違い。


なんだかんだと勘違いをしては盛り上がる二人ばかりですね(笑)
06:58 図書館SS(堂郁)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。