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寄贈品:キミのよいところでもあるけれど

2009/03/05
皆様おはようございます~。
木曜日ですヨ!


本日は素敵な寄贈品をご紹介いたします。
みぃ様のからの寄贈品です。
ストーリーで、以前【秋風ノート】様に掲載された作品の転載で
先日掲載のバレンタインとの連作となっております。

無事に秋風ノートの管理人をされていた 三菱 榧様から転載許可を頂きました。

秋風ノートの企画はお題拝借しての企画だったということで、お題配布元も一緒に掲載致します。

お題配布元:リライト 様
お題は【こんな人たち→向こう見ずな十の危険】から【君の良い所でもあるけれど】です。


【向こう見ずな十の危険】一覧

ハイリスク・ノーリターン
標準装備武器は“無鉄砲”
明日の事は明日考えるから
不審なものにはとりあえず頭から突っ込んでみるべし
痛い目にあってもトリ頭

君の良い所でもあるけれど
大丈夫、殺しても死なない人間だから
捨て身だけど死にたくない
蹴っ飛ばせ!
馬鹿が感染したらしい



※お題から1個抜き出しという形になりますので他のお題分はありません。ご注意を(笑)


ちらりと覗いた君の本音の後こんなことが?!
ウワウワウワーとなりますよ!

みぃ様ありがとうございます!!

一言よろしければ置いていってくださいませ★
みぃ様に転送させていただきますので!!!


堂郁 年齢フリー 恋人前 テーマ:ウズウズホワイトデー





郁は本日何度目か知れないため息をついた。

「見ていたくないなぁ・・」



事務室の入口では堂上が女子隊員にホワイトデーの贈り物を渡している。

本日、何度も見た光景である。



ことの発端は2月24日、渡される贈り物全てを断っていた堂上にそれでも何とか渡そうと考えた

女子隊員が郁に堂上への贈り物を預けたことがきっかけだった。

一人預かったが最後、郁の手元は堂上宛の贈り物でいっぱいになり、最後はサンタ宜しく

ビニール袋で抱える程だった。

何が悲しくて好きな人への他の女性からの贈り物を届けなければならないのか・・。

ようやく気持ちを何とか浮上させた事務室で待っていたのは堂上の怒鳴り声だった。

そしてみっともなく泣き出した郁に

「俺が悪かった・・気まずい想いさせたな。チョコは受け取る。ちゃんとお返しもする。

だから・・お前が気に病むことはない。」

そういって頭にぽんっと手をのせた。その結果が今日のこれである。



『自業自得なのは分かってるんだけどな~』

は~っとため息をつくと郁はデスクに突っ伏した。

堂上がバレンタインデーに女性からの贈り物を受け取ってしまったのも、その結果堂上が送り主へお返ししているのも元はといえば郁がうっかり堂上宛の贈り物を受け取ってしまったことにある。そしてどんな状況であれ、贈り物を受け取ってしまった以上は律儀にお返しをする、それが堂上である。

「そんなとこが好きなんだけど・・」

恨みがましく堂上の背中を見つめまた突っ伏す。



*********



その後姿を小牧は苦笑して見送る。

彼のかわいい部下はどんなときでもその胸のうちが駄々漏れで、今も一人、また一人と堂上の元を

女性たちが訪れる度にため息をついたり、不自然に首を振ったり、うなったりしている。

『本当、かわいいよな~』

本人は"戦闘職種大女"で女らしくもかわいくもないというレッテルを勝手に自分に貼っているようだが、堂上の一挙一動に振り回されて表情のくるくる回る郁は乙女そのものでかわいらしいことこの上ない。

「ま、鞠江ちゃんには負けるけど・・」

苦笑して視線を事務室のドア付近に移すと友人の姿が目に入る。営業用の型どおりの笑顔ではあるものの一人一人に誠心誠意対応しているのが分かる。引き受けた以上は最後まで投げ出さない面倒見のいい友人である。バレンタインデーの贈り物を受け取ってしまったからには最後まできちんと対応するのが堂上で、もちろんお返しも面倒くさがらずきちんとする。そこらへんの誠実さが女心をくすぐっているのだろうが本人はいたってそのつもりはないだろう。そうやって無自覚にファンを増やしていった結果が毎年のチョコレートの数にきっちり反映されているというのに気付いていないところがこれまた堂上の魅力でもある。しかし・・

『そうやっていつまで遠回りするのかな、お前は・・』

本当に惚れている女はただ一人で、本当はその女性の気持ちさえあれば他には何もいらない位なことは見ていて分かる。それでも他の人への気配りを忘れないのも、困っている人を見るとほうっておけないのも『堂上だから』だ。誤解されたくない女を背後にしていてもそれを理由に態度を変えることはしない。そして素直な郁はそんな堂上の態度にまた悩み始めるのである。

『まったく面倒くさい二人だね・・』



*********



「こら、何サボってる?!」

頭にこつんとぶつかった箱の感覚に勢いで頭をあげる。

頭上にあたったのは堂上が持っていたラッピングされた箱である。

目の前の堂上に顔を覗きこまれて郁は思わず赤くなった。



「お返しだ!あけるなら業務が終わってからな」

そういうと堂上はさっさと席に戻ってしまう。

郁は頭上に載せられた箱をそっと下ろした。品のいい袋に10センチ角の箱が入っている。

『この箱かわいい』

頬が緩みそうになってあわてて切り上げる。壊れないように大切に包み込んでその箱を

そっと鞄にしまった。



*********



普段なら何分もかかる日報をさっさと終えて郁は事務所を飛び出した

『早くあけたい!』

壊れないようにプレゼントの入った鞄を胸に抱きしめて寮まで走る。

普段は近い寮までの距離が何だか遠く感じる。

寮につくとはやる気持ちを抑えてジャージに着替えた。



「今日は早かったのね」

「しっ柴崎ぃ!?」

突然声をかけられ郁の声は思わず裏返った

「まったく、私がいたことにも気付かない位夢中で着替えてたわよ、あんた。

 まあ理由はなんとなく察しがつくけどぉ~」

そういうと明らかにからかいを含んだ笑みを送ってくる。

むぅっと頬を膨らませるが弁解のしようもない、柴崎がいることに気付けない程に

着替えることに集中していた・・というよりは贈り物を早くあけたい一心でそれ以外

考えていなかったというほうが正しい。どの道、柴崎には隠し事なんて出来ないのだから

むくれていても仕方ない。郁は鞄の中から包みを出してテーブルまで持ってきた。

そして・・・固まった。



*********



郁の目がテーブルに置かれた小箱を認めてとまった。フリーズしたように動かない。

『ま~ったく分かりやすいんだから・・』

フリーズを解くべく声をかける

「バレンタインのお礼にって堂上教官にもらったのよ。言っとくけど皆、一緒よ。業務部でも何人か堂上教官にあげた子がいたみたいだけど皆この商品!このお店をチョイスするなんてセンスいいわよね~」

さりげなく『特別』なものをもらった人がいないという情報も一緒に流してやる。

就業後、皆で堂上からもらった贈り物の中身を確認した。店が店だったからだ。

しかしやはりというか、当たり前というか皆、ほとんど同じものだった。そこは情報屋の抜かりなくしっかり確認してきている。まあ確認する必要もなさそうだけど念のため・・ね。

案の定、郁のフリーズがとけ表情が少し柔らいだ。

大好きな教官から贈り物をもらった郁は、たぶん贈り物をあけるのが楽しみで仕方なかったはずだ。そしてその影響で他の人にも教官が贈り物を配っていたということを今の今まで忘れていたのだろう。柴崎のもとにある自分と同じデザインの袋にそれを思い出してその瞬間フリーズした。

『本当、かわいらしいったら・・』

いそいそと自分の目の前に座る心中駄々漏れの友人を見ながら柴崎はくすりと笑う。

『あんたが帰ってくるまで開封するのを待ってたのよ。私の読みが間違ってなければパッケージと箱のサイズは同じでもたぶんあんたへの贈り物は"特別"なはずなんだから。何せあの店の商品だしね。私と違うものが出てきた時の笠原の反応が見ものだわね~』



向え合わせになって箱をあける。

センスのいい箱に入っていたのはホワイトチョコレートのeggだった。

「かわいい~」

頬を緩めて笠原がそのまま箱ごと部屋に飾ろうとするのを制した。

「ちょっと待って、笠原。せっかくだし卵割ってみない?」

案の定、笠原は目を大きく見開いて講義してくる。

「やだ、もったいないじゃん」

頬をそめて唇を突き出した郁は文句なしにかわいい。

あ~もうまったくあんたは!でも今回は柴崎も譲るわけにはいかない。このままだと郁は

堂上のメッセージにまったく気付かない可能性がある。笠原が私と同室だったことに感謝してくださいよ。と勝手に堂上に恩を着せて柴崎は郁を説得する。

「贈った方としてはやっぱり食べた感想聞きたいものじゃない?」

それには納得できたのか、郁はしぶしぶといった態でeggを手にした。

そのままかぶりつこうとする郁に柴崎はあわてて待ったをかけた。

「こうするのよ・・」

つなぎ目から二つに割ると中から砂糖でコーティングされたミニサイズのクッキーが出てきた。

「このクッキーがおいしいのよ」

一粒取り出して郁に見せる。

チョコとの格闘が終わった郁は柴崎の手元を確認して顔を赤くした。

『本当、分かりやすいんだからあんたは』

柴崎のクッキーは黄色の砂糖でコーティングされた星型だ。

そして郁のクッキーはピンクの砂糖でコーティングされたハート型。

この店でチョコレートの中に入れるクッキーの種類は全部で4種類。



堂上がその意味を知っていたかまでは定かではないが・・



クローバー ・・あなたの幸福を祈ります

星     ・・いつも輝いていてください

ハート   ・・あなたのことを想っています

ひよこ   ・・あなたの成長を祈っています



業務部で確認したとき全てのeggの中身を見て、唯一なかったのがハート型だった。郁にハート型があたったことはおそらく偶然ではないだろう。

『まったくあの人も隅におけないわね。』

デザインが同じものだから一見分からないし、卵を割った中身を確認しあったとしてもクローバー、星、ひよこの三種類が出てくれば中身の種類って色々あるんだね~。で済ませてしまえないこともない。いくらでもいいわけがたつそこまでは。

『だけど・・・』

柴崎は星型のクッキーを手でもてあそびつつ、郁の手元をもう一度真剣に見つめた。



*********



偶然・・だよね。偶然あたったのがハート型だったってだけだよね。

動揺して郁はハート型のクッキーをかき出した。出しても出してもeggから出てくるのは同じで、たくさんのハートたちに胸がどきどきする。

『こつん・・』

指先にクッキーとは違う感触を感じ、郁は首をかしげた。

そして感触のしたものを引っ張り出す。



『ストラップ・・・?』



引っ張り出したそれはビニール袋に包まれていたが中身はストラップだった。

細い白の皮が輪状になっており、手前側に長方形のシルバーが品よく取り付けられている。

よく見るとメッセージが彫られていた。



「Vous êtes inquiet」



・・どういう意味だろう?

ビニールの中に折りたたまれて小さな紙が同封されているのを見つけて、郁はあきらめて

はさみを取り出した。指紋をつけるのが嫌で、袋から出したくなかったが仕方ない。

もしかしたらメッセージのヒントになるようなことが書かれているかもしれない。

ビニールから取り出すとシルバーがいっそう光に輝いた。ストラップをハンカチの上に置き

気になっていた紙を取り出す。



そして一瞬で赤くなる。



   Vous êtes inquiet

  (お前のことが気がかりだ)



そ・・・それはどういう意味ですか?教官?!

教官として不器用で突っ走る部下が心配ってことですか?

それとも・・それとも・・・・・・

『え~~~?!』



完全にパニックになっている郁を横目に柴崎はストラップをひょいっと奪う。

もちろん指紋がつかないようにハンカチごとだ。



 「Vous êtes inquiet」



フランス語ねぇ・・



  直訳すると

  あなたのことが心配です  かぁ。



なるほどうまいものね。

同封されていた紙にはおそらくもっと分かりやすい意訳が書かれているのだろう。

部下としてともとれるし別の意味ともとれるそのメッセージを堂上はどんな気持ち

で贈ったのだろう。そして郁はそれをどう受け取ったのか・・。

店の名前を見た時から郁のeggに入っているのはクッキーだけではないだろうと

予想はしてた。



『教官も洒落たことするわねぇ。』



その店はカップルや若い女性に有名で、メッセージ入りの商品を作ってくれる。

アクセサリーに名前を入れることはもちろんメッセージを入れることも出来るし、

『意味をもつアイテム』を中に入れることで相手にそれとなく意思を伝えることも出来る。

気付くかどうかは相手次第!

だからこそ卵の中身が大事だったのだ。

もちろん柴崎のeggにはクッキー以外のものは入っていない。他の業務部の子たちにも・・。



ただそれは柴崎がわざわざ確認したから分かったことだ。

特別だということを悟られなくてもきっとよかったのだろうと思う。

フランス語で書かれたそのメッセージの訳が贈り物に同封されていたことは多分堂上にとって

想定外のことだったのだろうと想像がつく。こんなストレートな言葉を恋人という地位を

獲得していないうちから贈れるような器用な性格ではないだろう。

ただ店で見たこのメッセージに

無鉄砲で無茶な愛すべきその女性を思い浮かべてしまい、贈らずにはいられなかったんだろう。

『心配しているやつもいる。だからあまり無茶をするな』

という気持ちを込めて・・。

意味など分からなくてももっていてくれればそれでいい、と。

しかし、意味が通じるかどうかさえ分からないフランス語のメッセージでさえも

『お前のことが好きだ』とか

『おれがいつもついている』とか

分かりやすいメッセージを贈らないところが堂上らしい。



郁を横目にふっと微笑む。

『そこが教官らしい良いところではありますけど・・

 あの鈍感乙女には、ストレート以外の言葉では愛は通じないですよ』



今も内心駄々漏れの郁は

「教官として部下が心配ってこと?・・以外の意味があるわけないよね~あの堂上教官だし。

 てことは、そんなに気にされる程、成長できてないってことなのかな~。」

「あ~でも部下としてでも気にしてくれてるってことだよね。」

と落ち込んだり赤くなったりを繰り返している。

そして「はっ」と気がついたようにこちらを見た。



「しっ、柴崎は何が入ってた?」



ようやくそこに行き着いてくれたわけ?ため息をつきつつ、含みのある笑みで郁を見る



「クッキー以外は入ってないわよ~。もちろん、他の人もね」



不安そうに見つめていた郁はその言葉の破壊力に最大限に真っ赤になり机の上に突っ伏した。



  Vous êtes inquiet

(お前のことが気がかりだ)



それは、不器用な堂上の優しい愛のメッセージ



その言葉の本当の意味に郁が気付くのはもう少し先のこと・・。





fin.






郁ちゃんだけに特別なのに一見同じ!!
危ない、危ないよ堂上さん。
郁ちゃんガッカリしちゃったよ一瞬。

私もドキドキしましたよーーーー。
ストラップ出てきたところで、郁ちゃんのドキドキが感染しました(照)
郁ちゃん可愛いなぁ。可愛いよ。

そんでもって柴崎さんは親切だ。ちゃんとフォローして。
柴崎さんにこりゃ強いお酒をご馳走しなければなりませんね。

さりげないお返しに一体いくらつぎ込んだんだろう。
郁ちゃんにさりげなく想いを伝えるために皆エッグだもんね。

こんな素敵な恋ができたらたまらないなぁと思わせてくれる甘くてキュンキュンくる
可愛いお話ですーーーーー。

早くくっついちゃいなよ、ほんとめんどくさい二人だねという小牧の天からの声が聞こえました(笑)
みぃ様ありがとうございます!!!

07:00 寄贈品

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