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も・し・も =エピソード6=

2008/06/09
おはようございます。

あーっ!という間にまた月曜日ですね。

また一週間の始まりです。

今日も一日がんばっていきましょう!

というわけで、今日はリクエストがたくさんあったのでもしもシリーズです。

堂郁 恋人直前 年齢フリー もしも、郁ちゃんから好きって言わなかったら!





「泣くな。笑えよ。ここからお前一人で護衛するんだ。しっかりしろ」

ちゃんと防弾チョッキ着てるな、と確認されて半べそで頷く。

ああそうだ、と堂上が着替え終わって近くに放ってあった衣服を引っ掻き回した。

堂上はもう病院行きになるしかなかったので、防弾チョッキも外してある。

そのチョッキの下敷きになっていたワイシャツを堂上は引きずり出した。

上着を着たら見えなくなる胸ポケットにニ正の階級章が刺してある。
堂上はゆっくりした手つきでピンバッジ式のその階級章を外した。


「こっちに寄れ」
郁が身を乗り出すと、堂上は真っ白になった指先で郁のシャツの襟にその階級章をつけた。

「お前、カミツレほしがってただろう。貸してやる。必ず返せ」
そして頭の上にぽんと手が乗った。

「大丈夫だ。お前はやれる」

感情のリミッターが振り切れた。郁は涙を堪えて立ち上がる。

「あたし、帰ってきて必ず堂上教官にカミツレ返します!だから絶対元気になって下さい!
 元気にならなかったら許さない!」



**************************************************************************

堂上から借り受けたカミツレを襟に着け

敵の手をなんとか潜り抜け、郁は無事に当麻の亡命を成功させた。


関西図書隊に駅まで送ってもらい、新幹線に飛び乗った。

早く帰りたい


その一心だった。

だが、急いで戻っても結局は報告義務やその他の雑事があり
数日、堂上に会いに行く事は叶わなかった。



やっと時間を空けることが出来て、堂上の元を訪れる事ができた。

何日ぶりだろう。
郁は堂上 篤と書かれたプレートを見つめ深呼吸した。

意を決してドアをノックする。
はいと返事が聞こえたのでドアを開ける。

ベッドに横たわった堂上がこちらを見て笑った。

「来たか」

「はい。笠原士長、作戦を終えて無事帰還しました!」

そういって軽く敬礼をする。

「よくやった。こっちに来て座れ」

そう招かれてベッド脇まで進み出た。

「あ、コレお見舞いです。チーズケーキ。あっさりしたのは好きって言ってたから」
「ああ、すまなかったな。冷蔵庫にでも入れてくれ」
「すぐ食べないんですか?」
「なんだ?お前食いたいのか」

といって堂上が笑う。

その笑顔にホっとした。

「ああ。アレか自分の分入ってますから!ってヤツだな」
「ち!違いますよ!じゃあ冷蔵庫入れます!」

と赤くなりながら冷蔵庫を開けようとして、堂上に止められる。

「まあ、いい。折角だし一緒に食うか。皿とかそこの引き出しに入ってる」

そういわれて引き出しを開けるとプラスチックだがお皿やカップ
紅茶など色々入っていた。

「あ。一通りあるんですね。お茶セット」
「小牧が用意してくれてな。皆ケーキやら菓子やらもって来るクセに
 器までは考えてないから、ずっと手づかみだぞ!」
「あー。あたしもですね。すみません」

自分の気の利かなさにガックリしつつ小牧の気遣いに感嘆した。

「あいつはマメだからな。俺の入院にも慣れてるし。まあ見習っとけ」

ハーイと返事をしながら、ケーキを皿に載せ
余った分を冷蔵庫に入れる。

「紅茶いれちゃっていいですか?」
「ああ、好きに淹れてくれ」

そういわれてカップを2セット取り出して紅茶を淹れた。


二人でケーキをつつきながら、亡命のその後を一部始終話した。

大阪の当麻変身の辺りで堂上は爆笑した。

大阪ってのは基本そのノリか。
見てみたかったなと。


その様子を見て郁はホッとしたように笑った。

「堂上教官が思ったりより元気でよかったです」
「まあ不便ではあるがたいした事ない。迷惑かけたな」
「迷惑なんて・・・とんでもないです・・・」
「あ!そうだ。コレお借りしていたサイフと階級章。ありがとうございました」

「ああ。役に立ったか?」
「はい!士長の分際でカミツレ二つも付けさせてもらって分不相応でしたが
 これのお陰で最後までやり切れました」

そういって郁はペコリと頭を下げた。

堂上は受け取ったサイフをサイドテーブル置き、階級章を掌で弄んだ。


気づけばもうすぐ、面会が終了する時間だ。


突然黙ってしまった堂上に首を傾げつつも郁はそっと口を開いた。

「じゃあ、教官。今日はこの辺りで」

堂上は弾かれた様に郁の顔を見た。
何か言いたそうな顔をした後、いつもの見慣れた上官の顔に戻った。

「ああ。すまなかったな。忙しいところ」
「いえ、ちょっと報告が大変でしたけど、大丈夫です」
「俺がいないからってムチャするんじゃないぞ」
「・・解ってます。また、来ますね」

そういって荷物を持って立ち上がる。

「お大事にしてください」と頭を下げドアへと向かった。

「笠原!」

呼ばれて振り返る。

「また、その内時間があれば見舞いに来い。暇だからな」

郁は少し驚いた顔をした後、また来て欲しいといってもらえた事が嬉しく
笑顔でコクリと頷いた。


そしてそのまま病室を後にした。


********************************************************************

それから数日が経過し公休という事もあり、朝から小牧が見舞いに来ていた。

「どう?調子は」
「おかげさまで、まだちょっと風邪っぽいが大したことはない」
「そう。なら良かった。これ頼まれてた本と着替え」
「ああ、いつもすまんな」

その言葉に小牧は渋い顔をすると、そう思うなら無茶入院は程ほどにしてくれよ
と小言を言った。

「解ってる。仕事の方はどうだ?笠原はちゃんとやってるか?」

ずっと聞きたくて誰にも聞けなかった事を何気なく聞いて見る。

小牧はいつも通りの笑顔で笑うと、残務も落ち着いて、頑張ってるよと言った。

「またバカな事しでかしてるんじゃないかと思ったが、ちゃんとやってるならいい」
「素直じゃないね・・。元気にしてるか?他の男が寄り付いてないか?って聞けばいいじゃない」
「アホ!誰がそんな事聞きたいと言った!」
「顔に出てるよ。ホント二人ともわかりやすいよね」

堂上は不機嫌そうに顔を横に向けた。

小牧は意地悪く笑うと、そういえばと話を続けた。

「笠原さんといえば、当麻事件でかなり株が上がっちゃってね」
「なんだ?株って」
「元々目立つ存在ではあるけど、一躍有名でさ。盛りのついた男達が群がってるよ」

その言葉に飲みかけていた紅茶を吹いた。

「ちょっと!気をつけなよ。布団に染み出来るだろ」
「なんだ、その群がってるって。どんな男達だそりゃ。物好きすぎだろ!」
「そんな事ないよ。気づけば、彼女いつの間にか随分可愛くなってるし
 背は高いけど脚は綺麗でスタイルもいい。今回の仕事に感動してるヤツも結構いるし」

寮でも誰が落とすかって噂で持ちきりだよ。

と小牧は自分の紅茶に口をつけた。

堂上は憮然とした表情で、そんなの一過性だろう。と自分に対する暗示なのか
ボソリと呟いた。

その様子に小牧が肩を震わせる。

「ククク・・。いやぁ。大変だね。ベッドに縛られてちゃ番犬も勤まんないね」
「なんだ!番犬て!俺は犬か!」
「いやー。まあたとえだけどさ。お前が留守だってんで今が狙い時とばかりに群がる奴らも
 なかなか見ものだよ。毎日毎日笠原さん首傾げてるよ」

よく解ってない所があの子のかわいいところだよね。
と笑い続ける。

「おい、お前・・・解っててそういう事言いに来てるのか?」
「何?解ってるって。何を解ってるの。俺が」

そう問われて言葉に詰まる。

俺が笠原に好意を持ってるって事だ!と怒鳴りたくなったが
そこで怒鳴る事もできず言葉を飲み込む。

「何のことか言ってもらわなきゃ解らないけど。俺エスパーじゃないから」
とシレっと訳知り顔で言われると素直になれる訳もない。

「うるさい!何でもない!」と怒鳴り返す。
「いいの?じゃあ、まあいいけど」

堂上はゴクゴクと紅茶を飲みながら、小牧にあいつはなんで見舞い来ないんだ。
と何気なく聞いて、また上戸に入られた。

「いや。面白い!言ってる事支離滅裂って言うか、唐突っていうか」
「うるさい!いいだろ。入院してて言語中枢弱ってんだ!」
「アハハハ。撃たれたのは脚でしょ!なんで言語中枢弱るの」
とひとしきり突っ込んで笑った後、おもむろに口を開く。

「笠原さんの見舞いの件だけど、そう頻繁には来ないでしょ普通」
「なんでだ」
「だって、別に付き合ってるわけでもない部下が、そんなに頻繁に上官の見舞いって
 変だろ?」

そう指摘されて、ああそうかもと納得する。

ただ、時間が空いたら来いといったら嬉しそうにしていたのは
社交辞令だったのだろうか。

「ヒマだから時間があったら来いといったら。ハイって言ってたぞ」
「クククク。そんな事いったの!?いやー。もうそれ素直に別の事言った方がいいんじゃない?」

腹を抱えて笑う小牧に別の事って何だ!と解っているが解らない振りで怒鳴った。

「まあ、その気があれば週1くらいは来るんじゃないの?」
「・・・・・・」
「何?もっと顔見たいの?」
「べ・・・別に。困った事がないか聞いてやろうと思っただけだ!上官だしな」
「クク。苦しいね言い訳。別に上官なら俺もいるし心配要らないよ」

笑う小牧に、これ以上何を言っても無駄だと思い
堂上は諦めて意を決して小牧に頼みごとをした。

「小牧。アイツに見舞い来るように言ってくれ。話があるからと」

小牧はふぅんと笑うと、それ以上は追求せずに
いいよ。笠原さんに堂上が話したい事あるから見舞いに来て欲しいって言えばいいんでしょ。


その顔は全て了解しているという顔で
面白くはなかったが、この状況では自分で何も出来ない。

隊内関係者で頼めるとすれば小牧・手塚・柴崎くらいのものだが
残念ながら、手塚や柴崎はそう頻繁来る訳もなく頼めるのがいつになるか解らない。

一刻も早く、ケリを付けたい気持ちが先走り
結局は一番マメな小牧に頼むハメになってしまった。

こんなことならこの間来た時に言えば良かったと後悔しても後の祭りだ。

「それじゃ、俺は今日はコレで。これからデートだから。お大事に」
と爽やかに笑う友人を羨ましく思いながら、伝言頼んだぞと声をかけた。

小牧は手を軽く上げて、了解。とドアを出て行った。



*****************************************************************************

部屋でお菓子を食べつつ柴崎とテレビを見ていると
郁の携帯がなった。

着信は小牧である。

小牧からの電話はとても珍しく、班長不在の今緊急連絡の可能性もあり
自然と声が業務用になった。

「はい。笠原です」
「小牧だけど今時間大丈夫?」
「はい。大丈夫です。何か緊急事態ですか?」
「いや。違うんだ。ちょっと伝言頼まれたから」

と予想外ののんびりした声に郁は拍子抜けした。

「伝言ですか?」
「そう。ベッドに縛られてる班長殿から」
「堂上教官ですか?」
「うん。今朝見舞いに行ったんだけど、なんか笠原さんに話があるから
 一度見舞いに来て欲しいって。」
「話?教官があたしにですか?」
「そうみたいだよ。まあ色々忙しいと思うけど時間作って早めに行ってやって?」
「あ、はい。解りました。有難うございます伝言」
「まあ友達の頼みだから。俺は別に。後宜しくね」

と意味深な言葉を残して、じゃあまた明日仕事で。と電話が切れた。

ふと気がつけば柴崎が頬杖をついてこちらを見ている。

「なに?小牧教官から?」
「うん。なんか堂上教官から話あるから見舞いに来て欲しいって伝言預かったんだって」
「へぇ~。話・・ねぇ」

何かを感づいたような表情で柴崎がニヤニヤとこちらを見るので
郁は思わず、なんか解ってるのあんた?と聞き返す。

「別に。なにかなぁって思っただけよ」
「うそ!なんかハハーンて顔してた!」
「気のせいじゃないの?」

シラッと再びお菓子に手を伸ばしながら柴崎は視線をテレビへと戻した。

「でも・・なんだろう。あたしなんかしたっけ」


ここ数日の事を思い返しても思い当たることは何もない。
業務で大失敗という事もないし・・。
教官がいる時とそんなに変わったこともない・・・。

いや、変わったことはある。

当麻事件から戻って、やたら回りが騒がしくなった。

これだけ大事件だったからだと思うが
妙に話を聞きたいから一緒に食事はどうだとか、飲みに行かないかとか
次から次に誘われる。

自分一人しか体験しなかった事件なだけに皆状況が気になるのだろうと
単純に思っていた。

基本的にそこまでヒマではないし、ベラベラ事件の内容を話す訳にもいかず
断り続けているが・・・。

その辺りで何か問題があったのかもしれない。

それとも、お見舞いアレきり行ってないから、薄情な部下に怒ってるのかなぁ。
流石に頻繁にいくのも『ただの部下』としてどうなのかと考えると
行きにくく、足が遠のいている。

ヤバイ。怒られる気がしてきた。。
うー。。憂鬱・・。でも行かないともっと怒られるよね。


郁はハァっとため息をついた。

「何想像してんのかしらないけど、イイ話かもしれないじゃない??」
「いや。多分この呼び出され方は怒られる気がする!」
「何それ。野生のカン?」
「野生じゃないわ!」
「ああ、そうよね温室育ちだものねぇ」

と笑われて、郁はうるさい!と怒鳴り返した。



*********************************************************************

それから数日して、郁は意を決して堂上の元を再び訪れた。

2回目の見舞いだ。

悩んだ挙句、今度は和菓子を持参した。
さっぱりした物をいくつか見繕って詰めて貰った。


ドアをノックすると堂上の声がしたので開ける。

「失礼します」

「来たか。呼び立ててすまなかったな」
「いえ・・・。あ、これお見舞い。この間ケーキだったから今日は和菓子です」
「別に良かったんだぞ、手ぶらで。見舞いなら他の奴らから山ほどもらってるしな」
「いや。でもやっぱり手ぶらじゃ格好つかないし・・」

そういいながら、ベッド脇のイスに座る。


しばらく沈黙があり、郁は思い切って口を開いた。

「あの!小牧教官から、堂上教官があたしに何か話があるって・・聞いて・・それで・・」
「ああ。ちょっとな」
「なんでしょう・・。何かしましたか?あたし」

ちょっと怯え気味の顔でそう聞かれて堂上は苦笑した。

「別に怒るつもりで呼んだ訳じゃない。怯えるな」
「そう・・なんですか?」
「なんだ・・アレだ・・。小牧からお前が・・その・・男に群がられて困ってるって聞いてな」

と堂上は言いにくそうにそっぽを見ながらそう告げた。

郁は、ああという顔をした後、怒られる為に呼ばれた訳じゃないと解り
ホッとして笑った。

「ちょっと大変ですけど・・。その内収まると思います。」
「メシとかに・・誘われてるのか?」
「そうですね。ゴハンとか飲みとか。当麻事件の内容知りたいみたいです」

と屈託なく笑う郁に堂上難しい顔をした。

「お前・・ついて行ったりしてないんだろな」
「はい。事件内容をそんなにベラベラ喋っちゃまずいと思って」

堂上はそういう事じゃないだろうと心で突っ込みながらも
郁が男達の誘いを断っていると解り安堵した。


郁は堂上の難しい顔をみて何かまずかったのだろうかと首を傾げる。
どうしたものかと思っていたら、堂上と視線が合わさった。

真摯な眼差しに捉えられて硬直する。

「笠原。お前、俺のことをどう思う?」


突然の思いがけない言葉に郁が驚いた様に目を丸くする。
意味が解らないが、しどろもどろになりながら勢いで答えた。

「えっと・・。厳しいけど優しくて、困った時いつも助けてくれる・・頼りになる上官だと思ってます」

堂上はため息をついて、そうじゃないと呟く。


どうやらこれは堂上の期待した答えではなかったようだ。

郁はえ?え?と目を白黒させながら必死に頭を動かす・・。

今、堂上教官は俺をどう思うと聞いた。
好ましい上官だと言ったらそういう事を聞いた訳じゃないと・・

という事は・・男として・・どう思うか?ってそういう・・意味?

郁は頬が熱くなるのを感じた。

いや、でも勘違いだととんでもなく恥ずかしい。
チラっと様子を伺うと、堂上は先ほどと同じようにじっと自分を見つめている。


郁の顔が真っ赤に染まる。

どうしよう・・・
どうしよう・・・

好きですっ!とかって言うべき!?

迷っていると、先に堂上のほうが口を開いた。

「今回の件ではっきり解った。俺はお前の支えになりたい」
「いや、でも今でも充分支えてもらってますが・・?」
「違う!それは上官としてだろう・・。そうじゃなくプライベートでもという事だ」
「そ・・それって・・どういう」

堂上はまだわからないか!という顔をしてからはっきりと郁に向かって告げた。

「お前と付き合いたいと思っている。お前の気持ちを聞かせろと言ってるんだ!解ったか!」


郁はそうだったら嬉しいと思った言葉が堂上から告げられて呆然となる。
その真摯な眼差しに冗談の色はない。


「ほ・・ほんとに?」
「本当に決まってるだろ。嘘でこんなことが言えるか!アホ!」
「・・・・・だって・・まさか堂上教官があたしの事そういう風にとか・・あり得ないって」
「どうあり得ないんだ。つまり俺なんかじゃお断りという意味でいいのか?」
「ち!違います!!あたしは!堂上教官を好ましく思っていて・・・・
 でも教官もそういう風に思ってくれてるとか想像できなかったので・・それで」


郁はしどろもどろになりながら必死に言葉を紡ぐ。

堂上は眉間に皺をよせながらつまりどうなんだと、返事を急かした。

「・・あたしで・・よければお付き合い・・したいです」

その言葉に堂上は「お前がいい。そこは解れ!」と怒鳴った。

郁は真っ赤になりながらコクコクと頷き
「あ・・あたしも堂上教官がいいです!」

と叫んで俯いた。

しばらく沈黙があり、どうなっているのかと
チラっと視線をあげると、堂上が見たこともないような甘い顔で笑っていた。

その笑顔にまた顔が熱くなる。

「お前、俺のいない間に男に誘われても、彼氏がいるからダメだと断れよ」

そういわれて、『彼氏』という初めての単語に緊張する。
ガチガチになった郁に聞いてるのかと堂上が不機嫌そうに声をかけた。

「は・・はい!聞いてます!」
「わかったんだな?」
「は・・はい!か・・かれしがいるからってちゃんと断ります」


堂上は満足した様に笑って、座っている郁の腕を引いた。

思わずその胸に飛び込むような形になって郁は硬直する。

そのまま抱きしめられる。

名前を呼ばれて顔を上げると、唇が重ねられた。




キスだという理解は遅れてやってきた。

意識すると身体がガチガチに固まってしまった。

唇はすぐに離され、凄く近くに堂上の顔があった。

真っ赤になって硬直していると、堂上が渋い顔をした。
「なんでそんな固くなる。キス・・嫌だったか?」

そう問われて、頭を横に振る。

「ち・・違います。嫌とか・・じゃなくて・・その」
「その、なんだ?」
「は・・初めてだったので・・ビックリして・・」

予想外だったのか堂上が目を瞬かせた。

「初めてって・・・キスが・・か?」

堂上が驚いている事は明白で
郁はいい年して情けなかった?と思いながら嘘をついても仕方がないと
コクっと頷いた。

堂上は、そうか。悪かったなと謝るとギュッっと郁を抱きしめる。

そして思いがけず奪うことの出来た『郁の初めてのキス』に
自然と頬が緩んだ。

今度は、もう一度いいか?と確認した。


郁はハイと呟くとぎゅっと目を瞑る。

その様子が可愛らしく、堂上はもう一度そっと唇を合わせた。


今度は幾分緊張が和らぎ、郁の身体が堂上に預けられる。



ほんの少し開いた窓から入り込んだ風が二人の髪をそっと揺らした。








というわけで堂上から行きました!バージョンでした。


いかがでしたでしょう?
迷いましたがとりあえずキスはさっさと行きそうだったので
原作同様その場でいってもらいました。しかも二回。


甘いものを食べたら(読んだら?)歯を磨きましょう!という事で
歯磨きできました!という方はポチっと報告です!
07:18 図書館SS(堂郁)

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