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名前を呼んで

2008/12/18
おはようございます!

木曜日ですね。明日行ったらお休みだ!!

昨日拍手のお返事に書いた、柳原先生のマンガの話にちょっとした
情報を下さって本当にありがたいです。
まるいちの文庫版に完結話の書き下ろしがあると聞いて大興奮。
速効で買いに行ってきます☆

ちなみに柳原先生は『とりかえ風花伝』書かれていましたが
あれも人気出ずに即打ち切りになってしまいましたよね。
しかーし!あの続きをご本人が同人誌でコツコツ個人出版されているのを知って
感動しましたよ~~~~~。

いいお話だと思うんですが、人気がでなきゃハイおしまい。
プロの世界は本当に厳しいんだなっていうのを垣間見た瞬間でした。
それでも『好きなものを納得いくまで書いている』というプロ漫画家さんの姿に
いろんなことを感じました。

普通、違う方向にへこんじゃいますよね。
描いたって誰も読みたくないんじゃね?とか思っちゃいそうなのにね。

『好きなものを好きなように でも独りよがりにならないように』
そんな風にありたいなと思った昨夜の出来事でした。

というわけで???
ちょっとご存じない方には意味不明なトークでしたが

今日も皆さん頑張ろう!私もがんばります!!


今日は、読み切りを。
ミニ連載よりはボリュームありますが、性的描写があるのでR15指定でごめんなさい。

堂郁 夫婦設定 R15指定 テーマ:さみしんぼ堂上さん?人格崩壊気味に。

糖度:★★★★☆ 笑度:★★☆☆☆ 大人度:★★☆☆☆


15歳未満の方閲覧御遠慮ください!



「それじゃあいってきます」
「ああ、ゆっくり楽しんで来い」
「用事終わったらすぐ帰りますね。たぶん夕方前には終わるんで」
「久しぶりの柴崎との買い物だろうが、夕飯も食ってきたらいいだろ」
「篤さんに恨まれたくないから夜はパスって断られました」

堂上が苦笑すると郁はそれじゃ行ってきますと軽い敬礼をした。
いつもはあまりしない、郁を見送るという行為が新鮮でなんとなく唇ではなくて
郁の額にキスをした。

予想しなかった場所へのキスだったせいか郁の顔が一瞬で真っ赤に染まる。
唇を重ねるよりも気軽なはずのその行為の方が郁にとって恥ずかしいというのが可笑しくて
堂上は笑いをかみ殺した。

「もー!何笑ってんですかっ」
「いや、お前たかが額にキスくらいで、どんだけだ」
「あ、篤さんが悪いんじゃないですかっ。いつもこういうときは普通のキスだから」
突然でびっくりしたっていうか、ともにょもにょと言い訳する郁の頭を堂上はポンと叩いた。

「悪かった、ほらもう行かんと遅刻するぞ。俺のせいで遅れたなんて言われたら堪らん」

郁はお出かけ用の華奢な腕時計を見てギャァと悲鳴を上げた。
「じゃ、じゃあ行ってきます!終わったらメールするんで」

それだけを言って慌ただしく部屋を飛び出して行った。
バタンという音の後に廊下を走る音が響き渡り堂上は額に手のひらを当ててため息をついた。

「ったく。廊下走るなって何度言わせたら分かるんだか・・・あいつは」


堂上は郁が慌ただしく出て行ったドアに鍵をかけてリビングに戻った。
買ったばかりの新しいコタツにもぐりこめば、玄関で冷えた体もすぐに温まってきた。

堂上はコタツに足を突っ込んでゴロンと仰向けに転がる。

今日は堂上班は公休日で、普段あまり重ならない柴崎も公休日らしい。

シフトが発表されて数日して、郁からこの日は柴崎に誘われているけど行っていいかと
申し訳なさそうな顔で聞かれて思わず苦笑した。

結婚してから堂上と郁の過ごす時間が格段に増えた一方で郁と柴崎の時間は激減した。
結婚して夫婦となったからにはそれは当然の事ではあったが、堂上が手に入れた郁との時間は
柴崎が郁と過ごしていた時間だと思えば、多少申し訳ない気持ちもある。

友人づきあいは大事にするべきだし、公休は必ず夫婦ですごさなければならない訳でもない。
俺に遠慮とか必要ないから、行きたい時は自由に行ってきていいと言った時の
郁のホッとした顔に、どれだけ心が狭いと思われているのかと思ったくらいだ。


とはいえ、郁を送り出した後する事も特にない。
せいぜい掃除と洗濯、それに夕飯の支度だ。

「こうやって、休みを一人で過ごすってのは結構久しぶりだな」

思わず口からこぼれ出た独り言すら、やけに大きな声に聞こえて堂上は笑った。
ぬくぬくと温もる足先から睡魔が襲う。

今日出かける事を気にしているのか、夕べは珍しく郁から誘いがあった。
瞼を閉じるとすぐに脳裏に浮かんできそうなくらいに真っ赤な顔で、「いやじゃなかったら」
とボソボソつぶやかれた日には、一体何が言いたいのか最初はわからなくて、何をやらかしたのかと
膝詰説教に入る寸前だった。


それが郁なりの「誘い」であるとわかって大爆笑した。
「夜」の事でこんなに笑ったのは初めて郁を抱いた日以来かもしれないと懐かしくなって
思わずそのままベッドまで引きずっていって、あの日のようにいきなり上半身を剥いた。

残念ながらパジャマの下にスポーツブラはなかったが、それでも十分に楽しい夜だったな―ー

思い出しながら堂上はウトウトとまどろむ。

そのまま睡魔に任せて意識を手放した。


                           ◆◆◆


ガタンと音がして堂上は目を覚ました。

官舎は壁が薄いので隣の家のドアの開閉でも意外と響く。
「寝てたのか――」

ふと壁の時計を見れば昼の時間はとっくに過ぎて午後3時になろうとしていた。
「よく寝たもんだな」

起き上がって思いきり伸びをする。
あくびをかみ殺して、携帯を見るが着信はなかった。

夕方までには帰りますと言っていたが、まだ連絡がないということは郁の帰りは
予想していたより遅くなりそうだと解り、思った以上に落胆した。

横になるとまた眠りそうだったので体を起してコタツのテーブルに突っ伏す。
郁がいないだけで部屋の中が酷く静かな気がする。

観ようと思って撮り溜めているDVDもあるのになんだか見る気がしない。
ぼんやりと壁の時計が刻む時間を眺めていたら突然ガチャリと玄関のドアが開いた音がした。

堂上があわてて体を起こすと、バタバタと郁の足音がしてリビングのドアがあいた。

「ただいまー。篤さんっ!すごい寒かった」

バックとコートにマフラーをソファに放り投げて郁が堂上の横に滑り込んできた。
外気で冷え切った郁の体は、ずっとコタツで寝ていた堂上にはゾクっとするほど冷たかった。

「お前、帰る前にメールするっていってなかったか?」
「えー?エヘヘ。いきなり帰ったら篤さんが驚くかなーって思って」
「驚くだろう、そりゃ」
「じゃあ成功です!」

篤さん温いっとすり寄ってくる郁はまるで子猫みたいで堂上の頬が緩んだ。
郁の体を抱き寄せると、昨夜したばかりなのに堂上の体の中心が疼く。

「楽しかったか?」
「すっごく。また行きたいなー」
「タイミング作っていってきたらいいだろ。たまには柴崎の所に帰さんと何言われるかわからんしな」
「アハハ。柴崎も同じ事言ってましたよー」
あたしって子供か何かですか?と笑う郁の額にキスをする。
くすぐったそうに目を細める郁が可愛くて、瞼と頬にもつづけてキスを落とした所で堂上の腹の虫が鳴いた。

グゥと小さな音ではあったが郁の閉じられていた瞼がパチリと開いて、驚いたように丸くなった。

「篤さん・・・ご飯食べてないの?」
「ああ、うたた寝してたら食いっぱぐれた。今さっき起きたところだ」
「うたた寝ってコタツで?」
「ああ、特にすることもなくて暇だったんでな」
「あたしがウトウトしたら風邪ひくーって怒るのに」

ずるーいと頬を膨らます郁の唇に堂上は自分の唇を重ねた。
なんか食べますか?と聞く郁を押し倒すと郁が何かを悟ったらしく慌てて腕を突っ張ってきた。

「あ、篤さん。あたしこれから部屋着に着替えるんですけどっ。あと、おなかすいてるんですよね?」
「すいてる。だから郁が食いたい。着替えるなら手伝ってやる」


我ながらいい思いつきだと思いながら郁のニットの中に手を入れると郁が堂上の腕の中で暴れた。




「ちょ、大丈夫!一人で着替えられるしっ。それに、ここコタツ!」
「寒いんだろ?コタツの中で俺があっためてやる」

背中に手を回すと、外し慣れた下着の留め金が見当たらなくて堂上は郁の背中をゆっくりと探った。
「お前、ブラしてないのか?」
「し、してますよっ!!今日はちょっとウッカリスポーツブラで行っただけです」
「ああ、スポーツブラ、な」

その響きが懐かしくて笑うと郁がムゥっと唇を尖らせた。
「今日朝バタバタしてて仕事用の準備しちゃんたんですっ」
「俺との時にはあの日以来一度もして来なかったな」

堂上がニットと一緒に郁のスポーツブラをあっさりと押し上げると
目の前に可愛らしい膨らみが現れる。

「あ、あたりまえじゃないですかっ!二度もあんな恥かきたくないっ」
「恥か――」
あの日の郁を思い返して笑いをかみ殺すと、もうそれは記憶から削除してください!と
郁が手加減気味に堂上の腕の中で暴れた。

「阿呆、忘れちまったらお前との初めても忘れることになるんだぞいいのか?」
「うっ・・・それは――。うまい具合にカットを」
「できんな」
意地悪く笑いながら、ささやかな膨らみを掌で包めば、夢の中で聞いた郁の甘い声が堂上の耳に直に届く。
「篤さん、もしかしてさみしかった?」
「阿呆、なんだそれは」
「だって、帰るなりいきなりだもん。あたしがいなくて寂しくてフテ寝したのかなーって」

寂しいという単語がなにやら堂上の心境を語るのに妙にしっくりきた。
言われて初めて『寂しかった』事に気づくのは三十を過ぎた男としてどうなんだ。
それ以前に、たかがちょっと郁が外出したくらいで寂しがるというのはどうなんだ。

堂上が眉間に皺をよせると、郁が嬉しそうに笑いながら堂上の眉間の皺を人差し指でたどった。
「篤さん、かわいい―ー」

5つも年下の妻に可愛いなどといわれるのは面白くないが、実際に郁の指摘通りなのだから
反論の余地はなかった。
ごまかすようにスカートの中に手を滑り込ませて太ももを撫で上げると郁の体がビクンと跳ねた。

「かわいいとか言うな。情けなくなる」
「えー?子供みたいで可愛いのに」
「まだ言うか――。大体子供がお前にこんなことするか」

そう言いながらショーツを下げて郁の秘部をたどるとそこはもうしっとりと潤っていた。
指でゆっくりと入口を辿るだけで郁は体をくねらせて切なそうに眉根を寄せた。
「郁」
「ここ、コタツですよ?」
「たまにはいいだろ」
「でも――アレ、置いてないから」

郁が真っ赤な顔をしながら困ったように堂上を見上げた。
アレとはいわゆる避妊具の事だとすぐにわかった。
堂上がテーブルに置いてあった財布から避妊具を取り出して見せると郁が驚いた顔を見せ
「なんでそんなトコに入れてるんですか?」と尤もらしい質問をする。

郁と結婚してから外でそういう行為をすることはなくなった。
必然的に財布にそういうモノを忍ばせておく必要はないと言えばない。

「もしもの時の備えだな。備えあれば憂いなしってな」
コレがないからデキないとは言わせんと堂上が郁の耳元で熱く囁くとくすぐったかったのか
郁がひゃっとかわいい声をあげて首を竦ませた。


唇で唇をふさぎ、指先で中を擦り上げれば郁が堪え切れない喘ぎをこぼす。
唇を解放して、最も敏感な部分を指で擦ると郁がいい声で啼いた。

「あっ・・・やぁっ――」
「郁、かわいい」
「あつしさ・・・」
「もっと、名前呼べ」
「篤さんっ、篤さんっ・・・」

郁が普段聞かせない熱い声で堂上の名前を呼ぶ。
その瞬間が堪らなく好きだ。

郁のこの声で、名前を呼ばれる度に胸が熱くなる。
名前には特別な力があるという言い伝えもあながち嘘ではないのかもしれない。


もっと名前を呼んでほしいと子供のように強請ると郁は嬉しそうに頬を緩めた。
「篤さん、篤さん、篤さん」

大好き――

熱くかすれた声
堂上の指先がもたらす刺激だけで昇りつめそうな反応を返す身体

乱れていく郁の呼吸と衣服に比例するように堂上の心も乱れる。


全部手に入れてもまだ足りない。

どれだけ強欲になれば気が済むのか自分でもわからない。

「郁、名前を呼んでくれ――」

お前の声で俺の名前を。





fin.








なんじゃこりゃーーーーという叫びは受け付けていません。
堂上さんがさみしくてさみしてく仕方なかった!!
という話(笑)

そして大事な人に名前を呼んでもらうのは嬉しいですよね。
しかもそれがこういうときだったりすると『特別』感が増しません?!
という妄想。

堂上さんも篤さんていっぱい呼ばれたいだろうという妄想。
そして一人だと意外とすることなくて困っちゃう人だったりと思った。

ギャグ版とオトメ版を程よくミックスするようにやってみましたがどうでしょうかね。
ジュエルボックス風のポエマー堂上さんを目指したのに全然ポエマじゃないね(笑)

ちなみに官舎壁が薄いんですよ。
間取りも多分似てるだろうから、あらぁ堂上さんちは昼間からお盛んね。と
お隣さんが思っていたら楽しいとか妄想した。
07:00 図書館SS(堂郁)