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心に差す、小さな影

2008/09/29
おはようございます~~。

また月曜日ですね?
なんだか休みが終わるのが早かったぁ。

でも、今日と明日はお仕事司令塔がお休みなので
フリーダムな一日を過ごせそうなので気楽だ☆

気の重い月曜日ですが皆さん頑張って参りましょうか?


さて!今日はね自分でも珍しいの書いたなっ!という作品
これも無糖。全くもってラブ度1%

でもこういうのも書いて楽しいなと思ったのでお暇だったら是非。
何のヤマモオチもない短いお話だけど、どっかから切り取ってきた一枚だと思っていただけたら嬉しい。


堂郁 恋人前 年齢フリー テーマ:自分の気持ちに気づきそうな郁ちゃん・・・かな?





堂上との巡回中に、庭の木陰から聞こえてきた可愛らしい声に郁は思わず足を止めた。

「どうした?笠原」

堂上の呼びかけに郁はシッと立てた人差し指を唇へと当てた。
怪訝な様子ながらも、堂上もそれに黙って従う。

そして漏れ聞こえる会話に堂上も思わず苦笑した。


『はい。あなた。あーん』
『・・・あーん・・・』
『もうっどうしたの?きょうはせいこんこめてつくったのに』
『ねえ?ななちゃん』
『んもう。ななちゃんじゃなくてななってよんで』


どうやら定番のオママゴトをしているらしいその会話は
テレビで見たの両親を真似ているのか。

男の子の方は明らかにお付き合いという感じが定番すぎて
郁は思わず笑った。

「可愛いですねぇ」
「ああ。そうだな」
「教官も確か妹さんいますよね?もしかして付き合わされたり?」

その言葉に堂上が苦々しげな顔で視線を逸らした。
「あの遊びのどこがそんなに楽しいのか未だに解らんな。お前も無理やりやらせたクチか?」
「んー。うちは兄三人なんで、あたしが兄に合わせる感じでした」
「ああ、なるほどな。なんとなくお前がママゴトというのは想像できん」
「どういう意味ですか!」
「そのままの意味だな」

シレっとした顔で返答されて郁が頬を膨らますと
木陰での可愛い夫婦劇は【ななちゃん】と呼ばれた女の子によって強引に先へと展開していた。

『じゃ、じゃあおしごといってきます』
『はい、いってらっしゃい』

と目を閉じた【ななちゃん】に男の子が困惑する。
『んもう。いってきますのきすでしょー』
『え?えっと。い、いってきます』

とぎこちなく答えた男の子が【ななちゃん】の頬に唇をくっつけた。
そしてそのままダッシュで図書館に飛び込んでいく。

【ななちゃん】は嬉しそうに笑顔のまま手をふった。


「おい、笠原いつまで見てるんだ。仕事に戻るぞ」
「あ。はい。すみません」

堂上に急かされるように慌てて横に並んで歩き始める。
郁のやけにニコニコした笑顔に堂上が不審気に尋ねた。

「おい。なんだ。気味が悪い」
「ちょ!失礼ですねっ。人がせっかく」
「折角なんだ?」
「な。なんでもないです」

慌てて口を噤んだ郁に堂上がピタリと足を止める。
厳しい表情で、堂上が郁に飲み込んだ言葉を吐き出させた。

「笠原、戻り次第、腕立て100回、腹筋100回と今ここで黙った言葉を白状するのとどっちがいいか選べ」
「ええ?!何でですか?!上司の横暴です!!パワハラで訴えますよ?」
「パワハラを略さず言って見ろ」
「え?!パワハラってパワハラじゃないんですか?!」
「アホウ。パワハラはパワーハラスメントの略語だ。正式な単語も知らないくせに、背伸びの言葉を使うな」
「な!意味が解ってればいいじゃないですかっ!通じてますから!」

不機嫌そうな堂上に郁が噛み付いたが、堂上は微動だにせずに郁の選択を待った。
その様子に郁はうな垂れながら口を開く。

「言ったら、腕立てと腹筋はナシですか?」
「言ったらな」
「ううううう。絶対にそれ職権乱用です」
「巡回中に子供のママゴトに気を取られるようなたるんだ部下に罰則を与えるのが職権乱用とは思わんぞ」

意地悪く笑った堂上を郁が悔しそうににらむ。

「教官も、ああやって妹さんとか近所の女の子とかに振り回されていってきますのちゅーとかしたのかなとか。
そんなことです!!以上!」
「バカか!貴様は!!」
「だから、黙ってたのに無理やり言わせたのは教官ですから!これで腹筋・腕立てはなしですからね!」
「戻り次第、背筋100回にグラウンド10周しろ!」

堂上の怒声に郁が思い切り不満の声を上げた。

「えええええええええええええ!?罰則ナシって言ったじゃないですかっ」
「誰が罰則なしと言った!腕立てと腹筋はなしだと言ったんだ!」
「ずっるいです!なんですかそれは!」
「ずるくない!勤務中にバカな妄想している暇があったら有事に備えて身体でも鍛えておけっ!
唯一の取り得はしっかり磨け。以上だ!文句は受け付けん!」

吐き捨ててさっさと歩き出す堂上の後ろを郁がふくれっつらで付いて歩いていると
再び堂上から怒声が飛ぶ。

「巡回中だ!タラタラ歩くな!!ふくれっつらは業務が終わってからにしろ!」
「はいっっ!」

やけくそで敬礼をすると、郁は必死で真面目な顔を取り繕い巡回に集中した。


クソ堂上!!こうなったら頭の中で散々な想像してやるっ。
小さな堂上が妹とオママゴトに興じる。
いってきますのキスといわれて、真っ赤になってホッペにキスをする。

それはあまりにも面白く微笑ましくて、郁は思わず緩みそうになる頬を必死で引き締めた。

つもりだった――

「笠原!なにをニヤニヤしているんだっ。どうせまた下らない妄想でもしていたんだろうっ!腕立て100回もプラスだ!」
「ええ?!なんで解ったんですか?!」
「顔に出てないとでも思ってるのか!お前は一度自分の顔を鏡で見てみろ。だだ漏れなんだよっ」


郁は頬を膨らませたまま、足を止めた。
その脳裏に淡い記憶がふんわりと蘇る。


子供の頃、母親が父親に言ってらっしゃいのキスをして父親が母親にいってくるとキスを返した。
郁が成長するにつれてその光景は自然と見られなくなってしまったけれど
子供心に、いつか自分もすてきな旦那様といってらっしゃいといってきますのキスをするのだと
ドキドキワクワクと胸をときめかせていた。



堂上とて、大好きな女性と結婚でもして新婚ともなれば
デレデレといってきますのキスをするのではないか――。


堂上が、いつか、誰かと――



郁の心に僅かに影が差しこまれる。
ほんの小さな黒い影。


けれど、その正体は何なのか・・・。


恐らくは、鬼教官のあり得ないシーンなど想像したからに違いないと郁は一人納得した。




さっさと来い!という怒鳴り声に追い立てられるように
郁は少し先で不機嫌そうに振り返っている堂上の背中に向かって走った。




fin.





という訳で、巡回中に可愛いものみて思い出す郁ちゃんの物語。

郁ちゃんもちょっと意識しているけど、それはまだ無自覚だね。という
定番の?ストーリーで。


この後の罰則はきっと決行されたけど、サボらないよう監督だ!と言いながら
教官は最後まで付き合ったろうなと思う。

そして、これに懲りたら業務中に下らない事を考えるなとか言ってくれたりして(笑)
もちろんドリンク一本くらいはご馳走するはずだと信じてる。
アメとムチがお上手だから!

どんどん虜にしてくれる教官に乾杯だ!

そしてどんどん虜になる郁ちゃんにも乾杯だ!!



07:00 図書館SS(堂郁)

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