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意地

2008/09/22
おはようございます。

月曜日、平日ですね。
明日は火曜日で祝日ですが皆さんは飛び石ですか?
お休みとって連休ですか?

私はカレンダー通りに出勤の予定だったのですが
いかんせん首は痛いは体調は悪いわで、沈没寸前。
頑張れば一日くらい行けそうだ!と思案していると
お休みしちゃおっかなぁなんて悪魔の心がムクムクと。


さてどうすっかなと思いながら
とりあえず、置き土産を置いていくので、今日もお仕事&勉強だ!という皆様
がんばっていってらっしゃい!!

久しぶりに随分さかのぼってみたSSなので最近のと違和感があるかも。

堂郁 年齢フリー 恋人前 テーマ:郁ちゃん、ブルーデーの意地

という訳でセクハラ入ってますんで、苦手な方はスルーだ!
ブルーデーネタだと気合が入るのはセクハラし隊だからなのかなぁ・・・・・。





ズクン、ズクンと重く鈍く響く痛みに思わず足が鈍る。
それを鬼教官が見逃すはずはなく、すかさず堂上の激が飛ぶ。

「笠原ぁ!遅れてる!!」
「ハイッ!!解ってます!!」

必死に怒鳴り返して足を速めようとするが再び襲い来る下腹部の痛みに
思わず冷たい汗が流れた。

真夏は過ぎ去ったとはいえ残暑が厳しい9月で今日は晴天だ。
外気温は30℃を軽く越える。

いつもよりも早く息が切れる。
ハァハァと荒く繰り返す呼吸がやけにうるさく感じた。

 ちくしょう!動け!あたしの足!!!!

そう自分を叱咤して走る。
持っている銃の重みが急激に増した。

 ヤバイ――


そう思った瞬間、目の前が暗くなった。
最後に見えたのは迫り来る地面――

 手をつかないと・・・・・・
 両手で持ち上げている銃はどうしたら――


衝撃と共に郁の意識は完全に途切れた。




***


班員の後を追う形で走っていると、堂上は郁の様子がおかしい事に気づいた。
いつもなら、もっと軽やかに走る足が酷く鈍い。

怪我をしているのか?とも思ったが、足が痛んでいるにしては
よろけている様子もないし、庇っている様子もない。

訓練中に痛める様な場面も思い当たらなかった。

単に暑くてバテているのかと、思わず堂上が激を飛ばすと、怒声が返ってきたので安心する。

しかし、安心したのは束の間、郁の鈍い足は速まるどころか益々その速度を落とした。
どうした!と声をかけようとして、足がもつれたのが見えた。

倒れると解り、速度を上げたが間に合わなかった。
伸ばした手は全く届かず、糸が切れた人形の様に
郁は銃を両手に抱えたまま、顔から地面に沈んだ。

さすがに前を走っていた小牧や手塚も気づき足を止めて郁の元へと走り寄る。
一番に辿り着いたのは堂上だった。

うつ伏せに倒れた、郁の身体を仰向けに抱き起こす。
腕に抱えられていた銃は力なく投げ出された腕から地面に転がり落ちた。

「笠原!しっかりしろ!」

顔から突っ込んだせいでその頬に擦り傷が出来ていたが
手をつかなかった割りには怪我は酷くはなかったので堂上は胸を撫で下ろす。

 こんなでも一応女だからな――

そう思ってから、自分の思考に苦笑した。
散々、お前は女か!と罵詈雑言を飛ばしておきながらこんな場面で
顔の傷の心配までしてしまう。


「堂上!笠原さんは」
「気を失ってる。顔色が真っ青だな」
「熱中症かなにかでしょうか?」

駆け寄ってきた小牧と手塚が郁を挟む形で膝をついた。

「解らん。熱中症の可能性もあるな。この暑さだし。こいつ昼ろくに食ってなかったからな」
「へぇ?よく見てる。さすが班長」
「うるさい!茶化すな!たまたま近かったから見えたんだ」
「とりえあず医務室に連れて行きましょう」
「ああ、そうだな」

郁を抱えあげようとして、手塚が手を伸ばしてきた。

「自分が連れて行きます。上官の手を煩わせる訳にはいきませんし」
「いや・・・だが」

と言いかけて、小牧が楽しげにこちらを伺っているのが解り
じゃあ、頼む。と郁の身体を手塚に預けた。

手塚が連れて行くと申し出ているのに、自分が行く必要はない。
こういう場合、大体同僚がいればそいつが面倒見るのが定石だ。


手塚がグッタリとした郁を抱き上げ、眉を顰めた。

「どうした?」
「いえ、こいつ女のクセに結構重いんで」と事も無げに言い放ち堂上は苦笑した。
「意識ないとはいえ、女の子にあんまりそういう事言わないの」

とさり気なく小牧がフォローを入れる。
こいつのどこが女かとでも言いそうな表情のまま手塚は渋々と言った態で頷いた。

「とりあえず、訓練はもう終わりかけだし、俺が片付けしておくから二人で行ってきなよ」
「手塚で充分だろう」
「んー?一応状況聞かれたら後ろについてた堂上じゃないと状況解らないだろ」

と正論を出されて堂上は渋々頷いた。

「解った。じゃあ片付けして事務室に先戻ってくれ。笠原を医務室に置いたら戻る」
「はいはい。どうせもう定時になるし、ごゆっくり?」
「アホウ。なんで医務室でゆっくりするんだ」


手塚の横に並ぶ形で堂上はその場を後にした。


庁舎内に入り医務室を目指す。

堂上は手塚に抱えられている郁の顔をじっと見つめた。

酷く青い顔色に荒い呼吸を繰り返している。
暑いのだろうか。

ピッチリと首元まで締められている戦闘服が酷く息苦しそうだ。


「堂上ニ正。すみませんドア開けてもらえますか?」

そう手塚に頼まれてから、既に医務室前に到着していた事に気づいて慌ててドアを開けた。

「医務の担当がいませんね?」

手塚がキョロキョロとしながら、室内を確認する。
しんと静まり返った医務に他の患者はおらず、医務担当の姿も見えない。

「不在の札が出てなかったからすぐ戻るか、その辺にいるだろう」
「では、自分がちょっと探してきます。笠原お願いします」

とそれだけ言うと返事も聞かずに手塚は医務室を出て行った。
堂上は溜息をつくと、ベッドに横たえられた郁の足からブーツの紐を解いて脱がせてから
足をベッドの上に乗せた。

少し迷った後、胸元のボタンをいくつか外す。
それだけでも大分楽だったのか、呼吸が幾分なだらかになった。

「おい、笠原」

と呼びかけると、郁がんっっと身体を捩る。
意識が戻りかけているのだろうか。

額に手をあてると、意外にもひんやりとしていた。
貧血のようにも見える。

そして、あることに思い至った。

正確にはわからないが、いわゆる女性の日ではないのだろうか――。

このくらいの時期にたまに郁が体調不良を申し入れる事がある。
いつもではないので見逃していたが、確かいつもこのくらいの時期だったはずだ。

しかし無理をする理由が見当たらない。
今までも不調であれば無理をせずに休んだりしていたのだ。
それは、女性ならではのもので男にはわからない不調だ。
休みに対して、厳しい事を言った事はない。


隊に初の女性隊員を迎えるにあたり、事前に女性隊員の扱いについて
各班の班長へはそのフォローに関する通達もされていた。

その文書は防衛部の女性隊員に対する規定に、特殊部隊ならではの業務についても盛り込んだ特別仕様となっていた。

当然、女性の日の扱いについてもしっかりと明記されていて
その時期の休みについては病気と同等し、特別な意図なく休暇の申請を却下してはならないとされている。


「んー・・・・」
「笠原??」
「どう・・じょう・・きょうかん?」
「ああ」

ゆっくりと開かれた瞼からうつろな瞳が現れる。

「どこか痛いのか?気分悪いか?」
「あたし・・・倒れた?」
「ああ。顔からいったぞ」

すみませんと返す言葉に力がないのは気づいたばかりだからだろうか。
さすがにこんな様子では気にするなという方が無理だ。

「体調が悪かったら休めといってあるはずだが?」
「――すみません」
「謝ってばかりでは解らん。解るように理由を言え」

郁が、気まずそうに青い顔を歪めるのを見て、心が痛む。
本当ならば、とにかくゆっくり休め。と言ってやりたい。

しかし、今は理由を確認する必要があった。

「女はずるいって」
「なんだ?どういう意味だ?」
「あたし・・・聞いちゃったんです。顔は見えなかったけど、女が病気でもない生理ぐらいで毎月休みを取るのは女を武器にして卑怯だって」

その時の情景を思い出したのか、郁がギリッっと奥歯を噛み締める。
思いもしなかった理由に堂上は目を見張った。

 誰だ!そんな事抜かした輩は!!

堂上は怒りのあまり膝に置いた拳をきつく握った。

「アホウ!そんなバカどもの下らない噂に惑わされやがって!」
「下らなくなんかない!!」

すみません。そう謝るかと思った郁から返されたのは強い強い振り絞るような言葉だった。

「下らなくなんてない!あたしは!悔しかった!確かに、どうしても調子が悪いと休みを取ったけど、そんな風に思われているって解ったら休むなんてできない。そんな事で『女』だって『卑怯』だって蔑まれるくらいなら、どんなに辛くたってやり遂げてやる!ってそう思って!!」

悲鳴に近いくらいの訴えに堂上の方が狼狽した。
まさか、一見能天気にも見える郁がそんな風に思っていたとは夢にも思わなかった。

「下らないといったのは訂正する。しかし、最低なそいつらの戯言にお前が自分を貶める必要などない!」
「でも!」
「いいか!男所帯の特殊部隊に女を迎えるという事は、男ではできない事が女にできるとそう認められたからだ。男と女は身体の構造が違う。だから、必要な休暇を取る事を恥じる事はない!」

俯いた郁の頭をポンと叩く。
郁を班に迎え入れてから、何かあるごとにこうして手を伸ばすのが恒例になりかけている。

「俺も、他の隊員も、お前が女の武器を使っているなどとは思っていない」

堂上教官と呟く郁を遮るように、堂上は厳しい顔で言葉を続けた。

「そもそも!お前のどこに女があるんだ!武器になるかそんなもん!」

潤みかけていた郁の瞳が一気に怒へと転じる。
「ちょ!どういう意味ですか!!」
「そのままの意味だ!女に見えないやつの武器なんぞが通じるほど特殊部隊の男は飢えてないんだよ!」
「なんだと!コラ!失礼千万!それが頑張って倒れた部下への言葉か!このクソチビ教官!」
「ほお。無理して倒れたバカデカ部下を医務に連れてきてやった上官に向かってその暴言か!」

ガバリと起き上がった郁の身体がグラリと傾いだ。
慌ててそれを堂上が抱きとめる。

一瞬、視線が交じる


沈黙――


ほんの一瞬の沈黙に二人で息を飲む。

先に視線を逸らしたのは堂上だった。
抱きとめた郁の身体をベッドに横たえる。

郁も大人しくそれに従った。

「まだ起き上がるな。今、手塚が医務を連れてくる」
「・・・病人を興奮させないで下さい」
「病人のクセにアホな事を言うな」
「この!直ったら覚えてろ!」

と悔しそうに睨みつけてくる郁に堂上も挑戦的に笑った。

「楽しみにしている。まずは、お前にも唯一ある『女らしさ』をしっかり終わらせてから挑んで来い!いくらでも受けてやる」
「唯一とか言うな!」
「唯一だろうが!大事にしとけ!」

そう怒鳴った所でガラリとドアが開いて手塚と医務が戻ってきた。


後を医務担当に任せて、堂上は戻ったばかりの手塚を連れて医務室を後にした。





fin,




という訳で、ブルーデーネタ!
まだ初期の方のイメージですね。

手塚とはそれなりくらいは和解しているけど、堂上と郁は表面的に?微妙な時期。

久しぶりに書いて楽しかった!
ストレートにいちゃいちゃじゃない二人ってのもいいよね!!

06:59 図書館SS(堂郁)

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