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朝のぷち☆連続ドラマ小説 『新しい日々への扉』 19

2008/09/16
おはようございます。

またやってきました平日の朝。
でも今週は一日少ない4日なので何とか頑張らないと・・・
と思いながらも異様に眠たいのはなぜですか?!(苦笑)

既に頑張っていらっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが
本日も頑張りましょうね~。

残す所連載も本日を含めて3回です!
こうなったらヤケでついてくるも良し、もう結構とサジを投げるも良し!


堂郁 年齢フリー 夫婦設定 テーマ:郁ちゃんの妊娠~出産をワンシーン方式?で

こういうテーマは苦手だって言う方はスルーしてくださいね。

これはあくまでもイメージ小説でありリアリティは追及していません。
そして基本苦情は受け付けません。


朝のぷち☆連続ドラマ小説 『新しい日々への扉』 第十九話



産休に入ってから、半月以上が経過し、何とか、生活のリズムが出来てきた。

堂上より先に起きて朝食とお弁当を作る。
最初は持っていくのが恥ずかしそうだったが、今では美味しかったとキッチリ洗った弁当箱を持って帰ってきてくれる。

洗わなくていいといつも言っているのに、少しでも負担を減らしたいと出来る限り洗ってきてくれるのだ。
あの、壁に耳あり障子に目ありどころか、壁も障子もあったもんじゃない特殊部隊の面々の前で
どんな顔をして弁当を広げ、そして弁当箱を洗っているのかと想像すると思わず笑いがこみ上げる。


洗濯機を回そうとして、カゴに避けられている汚れた戦闘服が目に飛び込み
忘れようと努めていた昨夜の出来事を思い出して思わず郁はギュッっと拳を握った。


***


昨夜、良化の襲撃があった。
緊急の召集で堂上は官舎を飛び出していった。

本当なら、自分も一緒に飛び出すはずの場面。
けれど、お腹に宿る命がそれを阻む。

大丈夫だ、直に戻るから戸締りをして休んでいろと笑う堂上の笑顔が
最後の別れになるのではないかと、不安で一杯になった。
けれど出来ることは何一つなく、ただ気をつけてと告げるのが精一杯。

行かないでなどと言える訳もなく、躊躇いがちに伸ばした郁の手は行き場のないまま
静かに下ろされた。


窓から、他の防衛員と庁舎に向かって走る堂上の背中を視線で追う。
無事で、無事で帰ってきて欲しい。

既に火器の使用が禁じられているとはいえ、怪我などは日常茶飯事だ。
運が悪ければ命を落とす事もない、とは言い切れない。


こんな事態になって、改めて自分達の『仕事』を知る。
そして、この仕事について初めて『待つ側の気持ち』を思い知らされた。

大事な本を、利用者を、図書館を守る為に戦う。

内側にいたときは必死で、ただ必死で外側の事を気遣う余裕はなかった。
自分を心配してくれる人がいることは理解していても
こんなにも胸を押しつぶすような不安と恐怖を与えていたとは考えていなかった。


今まで、襲撃があって作戦によってはお互いの行動を把握できない事など当たり前であったのに、ここまでの不安を感じた事はなかった。

同じ世界の中で、同じ敵を前に戦っている。
それは見えない場所でも、する事が違っていても、一緒に戦っている事に変わりはなかったから。

けれど、今は違う――
同じ場所に立てない。

堂上がどうしているのかが全く解らない――
自分に出来ることが、何もない。

ただ、家の中でじっと待っているしかない不安、恐怖。


堂上がただいまと戻るまでの間、ひたすら祈っていた。
万が一にも恐ろしい事が起こらないように――。


夜が明けてうっすらとした朝の光がカーテンの隙間から差し込む頃、ドロドロになった堂上が戻ってきた。


ただいまといいながらも、恐らく寝ていなかったことが解った様で、酷く難しい顔をされた。
ダメだと思ったのに涙が溢れた。

おかえりなさいとドロドロの堂上の腕に飛び込んで苦笑された。

その後、結局郁も汚れてしまい、堂上の誘いで一緒にシャワーを浴びた。
冷えた手足が温まり、堂上に身体を洗ってもらう段になって
郁は自分の身体がガチガチに強張っていた事を知った。

子供が出来てから、初めて肌を触れ合わせた。
性的な意味のない、その触れ合いは温かく、優しく、安らぎに満たされていた――



そこまで、思い返してから、郁は慌てて洗濯物を洗濯機に放り込む。
そして、甘い香りの洗剤を投入した。

不安も恐怖も全てが綺麗に洗い落とされるようにと、スタートボタンをゆっくりと押した。


***

午後、堂上は名残惜しそうに出勤していった。
それを見送り、郁は簡単な荷物だけを小さな手提げに入れて、部屋を出た。


ゆっくりと歩きながら図書館へと向かう。


靴は踵の殆どないものを履いている。
服もすっかりマタニティとわかるそれだ。
気恥ずかしくて仕方がなかったが腹部を圧迫しない衣服の方が良いと
周りかわらのアドバイスもあり、思い切って堂上と二人で選びに行った。


図書館は昨夜ここで戦闘があったとは思えない程にいつも通りで
親子連れや、学生、あらゆる利用者がのんびりと本を手に取っていた。

そんな日常の穏やかな光景に郁はホッと胸を撫で下ろす。
ゆっくり中に入ると、今日はカウンターに柴崎が入っていた。
目が合ったので軽く手を振ると、柴崎も軽く手を上げて応えてくれる。


図書館に来ると、不思議と安心する。
まだここに自分の居場所がちゃんとあると。そう思える。


館内をウロウロしていると、なじみの人間に会う機会も多く
皆、郁を見つけると順調かと笑顔で声をかけてくれる。

今日も館内巡回をしていた、タクスフォース隊員がいつもと変わらず挨拶してくれた。
何も変わらない日常。

自分がいなくても回っていく世界。
一抹の寂しさを覚えながらも、郁は頭を左右に振ってマイナスになる思考を振り払った。

今、自分がしなければならないのは、守らなければならないのは
お腹に宿るこの『いのち』だ。

それは自分にしかできない事で、仕事と秤にかけることなどできない大切な大切なものだ。



「しっかりしろ!あたし!!」

小さく呟くように自分を叱咤する。
手塚辺りが聞いていれば、本当にお前しっかりしろ。と呆れられそうな場面だった。


出産・育児などのコーナーを回り
何気なく命名辞典を立読みしていたら、ポンと後ろから肩を叩かれて振り返る。
ニコリと笑ったのは毬江だった。

「こんにちは。毬江ちゃん」

そう笑うと、毬江はペコリと頭を下げた。
部屋など二人きりの時は声を出して話してくれる様になったが、こういう場所では相変わらず声を出すことはない。


毬江が携帯を物凄い速さで叩き、画面をこちらに向けた。

『赤ちゃん順調ですか?』

「うん。おかげさまで」

『名前、考え中なんですか?』

「まだ、性別がわからないからどうしようかなって」

『聞かないんですか?性別』

「うん。生まれてからのお楽しみにしようって篤さんと決めたんだ」

郁はその時の事を思い出してわずかに頬を赤らめた。
それを見て毬江が、『いいな』と少し切なそうに笑う。

毬江と小牧は毬江が大学を卒業したら結婚しようという話になっていて、話は進んでいる様子だが、まだ正式な話は聞いていない。
ソツのない小牧の事だ、何か思うところがあって時期を見ているのだろうとは思うが、一日千秋の想いで待ちわびる毬江の気持ちが手に取るように解るだけにじれったい。


郁は開いていた辞典を棚に戻す。

「毬江ちゃん。今日ヒマ?ウチでお茶でも飲みながらお話しない?」
そういうと、毬江が嬉しそうに何度も頷いた。


そのまま連れ立って、図書館を出る。
官舎に戻る途中でも毬江は声を出さず携帯を叩いてみせる。

『予定日いつ頃でしたっけ?』

「えっとね、1月」

『楽しみですね』

「・・うん。そうだね。色々不安だけど。それは今は考えないようにしてる」
そう笑うと、毬江は何かを察したのかコクリと頷いた。

出会った時は幼さの残っていた毬江の横顔は随分と大人びて
もう、れっきとした大人の女性の雰囲気を漂わせていた。

じっと見ていると毬江が不思議そうに首を傾げる。
なんでもないと笑うと、毬江も笑い返した。

***


毬江をダイニングテーブルに座らせてお茶の用意をしようとしたら、声をかけられる。

「私がやります」
「いいよいいよ!大丈夫!」
「いいです。郁さんは楽にしてください。何にしましょうか?」

コーヒーはダメなんですよねと笑われて、郁は赤くなった。

小牧一正はそんな事まで毬江ちゃんに喋っているのだ。
一体何をどこまで知っているのかと想うと恥ずかしくて堪らない。


結局、二人でカモミールティを淹れて、向かい合わせに座る。

「毬江ちゃん、子供好きなの?」
先ほどの様子から率直に尋ねると、毬江は頬を赤らめながらコクリと頷いた。

「そっかぁ。じゃあ早く結婚して子供欲しいよね。小牧一正はなんて?」
「じっくり決めていこうって。でも結婚してもしばらくは二人がいいって」

いかにも小牧が言いそうな言葉に郁は苦笑した。

確か新婚の頃、堂上も同じような事を言っていた。
しばらくは二人きりの生活を楽しみたいと。

それは郁も賛成だった。

郁の場合は仕事もある。できればもう少し仕事が安定するまで待って欲しい。
そう思っていた。


しかし、毬江は恐らく専業主婦になるだろうし、元々子供が好きなのであれば
結婚したら早目に欲しいと思うのは当然なのかもしれない。

「小牧一正と話してみた?」

毬江は赤い頬のままコクリと頷く。

「いつか、毬江ちゃんがママ友達になってくれたら嬉しいな」
「私も、郁さんが色々相談に乗ってくれると安心です」
「相談って・・・全然参考にならないよ」

実際、妊婦である自分よりも、夫の方が勉強熱心で
ああするといいやらこうするといいやら、どの時間を使って勉強しているのかと思う程、詳しいのだ。

郁が苦笑すると、毬江は静かに首を左右に振った。

「色々教えてくださいね」

郁は、もちろん解ることなら。と笑顔で頷いた。


毬江の幸せに満ちた最高の日を迎える時を何気なく想像する。
嬉しそうな毬江の横に、最高の笑顔で立つ小牧。

二人を見て、目を細める堂上の横に自分。
そしてその間に小さな、小さな、二人の子供――








というわけで、時期がどんどんと流れていきます。
ナゼならば明後日最終回なんで(笑)

図書隊である以上、検閲抗争は続いているという仮定になっています。
産休中にも当然検閲はあるでしょうし、緊急の召集があれば堂上は出て行っていしますよね。

郁ちゃんは隊の中でいろんな事を学んで、知ってきたけれど
こうした枠組みから少し外れた場所から『見る立場』になったことはないだろうなと。

堂上さんダブルスタンダードの時は多少そういう感はありましたが
あれもあくまでも内側ですしね。

脊髄派ならなおさら、立場が違った事に焦燥を感じるのではないかなと。
けれど、堂上さんも郁ちゃんも図書隊である以上は避けて通れないだろうとうい事で
ささやかに盛り込んでみました。


こういう、信じて待つ的な精神力は毬江ちゃんのほうがありそうだな。とか
思ったりして(笑)


何のために、毬江ちゃん登場?!という突っ込みはナシナシでね☆



07:00 図書館SS(堂郁)

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