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SS頂きましたよ! 第十三弾!

2008/09/14
こんにちは。皆様


予告の連休ゲリラ更新第二弾!

頂きましたよ三次創作!!!
本日は、AZRAEL 様から初の頂き物になります。

AZRAEL 様、有難うございます!

AZRAEL 様はサイトをお持ちではないという事なので、是非感想は公開拍手で!!
もし、秘密の告白ならば非公開で!必ずやAZRAEL様にお伝えいたします。


手柴(友人設定) + 堂郁(夫婦設定) 年齢フリー
テーマ:新しい日々への扉の三次創作! 12.5話 主に手塚・柴崎のやり取りメインで!



『新しい日々への扉』 12.5話(三次創作)




郁が復帰して一週間、公休日を翌日に控えた柴崎の携帯に手塚からのメール着信表示があった。
「明日、昼飯おごるから付き合ってくれないか。」
手塚班も明日が公休日だと柴崎が把握しているのを前提に書かれた、たった一行の本文。
「デザート込みなら。ちょっと買物にも付き合ってほしいから立川に出たい。」
「了解、少し早いが〇九三〇武蔵境改札前で。」
「OK」


立川に出た二人が向かったカフェはステップフロア構造で、中二階はガラスでいくつかに仕切られた
ブースとなっていて、昼間に多少込み入った話をするにはお誂え向きだった。更に開店直後に入った
ためにフロア貸しきり状態となる。セットの最後を締めくくるコーヒーと追加注文のケーキが運ば
れ、ウェイターが離れたのを見計らって柴崎は口を開く。
「やっぱりというかなんというか、疲れてるわね」
「……お前も見てたろ、この一週間あのバカがどれだけバカなのか」
バカという単語が固有名詞として通用するのもどうかと思うが、通用してしまう程度には二人の同期
であり共通の友人である郁は無鉄砲だった。
「確かに、あんたたちがきちんと知識を付けて臨んでもあの子があれじゃ大変ね」
郁が一週間の休暇に入り堂上が三日ぶりに出勤した日、玄田と緒形を含んだ班長会議が開かれ郁の妊
娠が知らされた。それと共に当事者である堂上と既婚者である進藤を中心に全班長参加で父親学級さ
ながらの勉強会が開かれたのを、文献資料のレファレンスと貸出を依頼された柴崎は知っている。
「もうすぐ安定期なのはわかった。けど、あいつの場合安定期という言葉が想定してないことやりそ
うだし、明日からは他の班と組む。それで迷惑をかけるわけにはいかない」

ワゴンを用意してあるにも関わらず大判の文学全集数冊を抱え上げ、しかも開架最下段に格納しよう
と抱えたまましゃがみこむつもりでいた(手塚がワゴンを手に追いかけた)。

開架最上段の書物をお年寄りに求められ、踏み台の最上段で爪先立ちした(手塚が駆けつけて代わり
に上った)。

挙動不審な利用者に職務質問をかけようとカウンターから飛び出そうとした(業務部男子二人がかり
でそれとなく抑える間に手塚が向かった)。

駄々をこねて床に寝転がる子供を起こそうと虚空を蹴るその足に腹部を無防備に晒した(代わりに手
塚が子供に手を伸ばし、したたかに鳩尾に蹴りを食らった)。

その度に堂上まで事の仔細が伝わり、堂上は業務の合間を縫うように妻の元へ駆けつけた。
さすがに夫の諭しがあると郁も反省するので繰り返すことはないが、会議室が使用中になる度、手塚
は自分の手際の悪さにいたたまれない気持ちになった。ランチにかこつけて柴崎の助言を求めること
にしたのも、いくら夫婦のこととはいえこれ以上尊敬する上司の負担になる事態を避けたかったから
である。
「それで、あんた自身はあの子にどうしてほしいの。産休期間にはまだ早いけどとっとと休めと
か?」
「まさか」
間髪入れずに飛び出した否定の返答に、無言でその先を促した。
「母体に影響がない限りどうするかはあいつ自身が決めることで、それに異議を唱えられるのは堂上
一正だけだ。」
何かあった場合俺が気づくより先に一正が止めるだろうしな、と呟いたのは奥多摩の一件での自分の
鈍さを思い知った故だろう。
「俺が求めてるのは若干の自重なんだが……どう言えばいいかいまだにわからないんだ。」
「で、私を誘ったと。」
素直に頷く手塚に向けられた柴崎の視線は、思いの外穏やかなものだった。
「私に出せるのはヒントになるかな」
「それで充分」
「あの子、自分の問題と捉えてしまってる事には無理をしがちだけど、視野を広げることができれば理解も自覚も早いわ。」
手塚の目に惑いの色が一瞬浮かび、沈思黙考に変わったのを確認して柴崎が追加でコーヒーを二人分頼んだ。
それが到着した頃に手塚は口を開いた。
「何とか組みあがった気がする」
「ならばこれを飲んで、買い物に行きましょ。ここでのおごりはデザートだけでいいわ。」
いぶかしい顔つきになった相手に柴崎は呟いた。
「あんたが動かなかったらあたしがあの子に一言入れるつもりだった。だからここは貸し借りなし
で、ヒント代としてデザートだけご馳走になる。その代わりこの後の買物、代金半分出して」
「なんだよそれ、そっちの方が高くつくとか言わないか」
「買うもの見たら納得するわよ」
手塚のいぶかしむ顔つきがもう一段深まったのを見て柴崎は悪戯っぽい笑みを浮かべた。


武蔵境に戻る電車内で作成しておいた、これから自班の副班長に話す内容のメールを駅で堂上一正に送って確認してもらった。
「気を使わせてすまん、頼んだ」
短い返信は、了承だった。
昨日の内に約束を取っておいたという柴崎に同伴する形で、両手に荷物を抱えた手塚は堂上家に赴いた。玄関先で柴崎が手塚から荷物を引き取る。
「あの子がよろけたら荷物持ったあんたも手ぶらのあたしも支えきれないから、ここはあんたの手を
空けておくってもんでしょ」
実はお前も充分過保護なんじゃないか、という疑問が表情に浮かぶ前に開錠の音と共に扉が開いた。
マタニティも視野に入れた服なのだろう、丈長のチェニックブラウスとハイウェストのゆったりした
シルエットを描くロングスカート姿の郁が客人を迎え入れた。
「あれ、手塚も一緒なんだ」
「ちょっとお前に用があってな。男一人で主が留守の所に乗り込むわけにはいかないから、柴崎につ
いてきた」
「まぁそこら辺は腰を落ち着けてからにしましょうよ」
居間に入って大きい荷物を置いた柴崎が、そのまま勝手知ったるなんとやらとばかりに台所に菓子折
りを運び込む。
「さっぱり系がいいと思ってくずきり買ってきた。普通の黒蜜のとすだち果汁入りの白蜜、どっちに
する?」
「あ、すだちのがいいなぁ。麦茶は冷蔵庫にあるけど合うかな。テーブルの上に番茶もあるけど」
「麦茶でいいと思う。残りは冷蔵庫に入れておくから一正にもどうぞ」
てきぱきと用意されたおやつを三人で味わった後、郁は口火を切った。
「で、用って?」
柴崎に先を譲られ、手塚がおもむろに口を開く。
「仕事の話を公休日に持ち込むのはどうかと思ったが、明日から俺の方は戦闘訓練になるんで業務前
に時間が取れそうにないからこうしてきた」
手塚がおもむろに胡坐から正座になったのを見て、郁も座りなおそうとするが手で制された。
「お前はそのまま楽にしててくれ、別に小言や説教に来たんじゃないんだ。ああ、でもひょっとする
とそうなるかもしれない。」
何その回りくどい言い方、とばかりに眉根を寄せた郁が問いを発した。
「ええと……明日からの内勤は宇田川班だから迷惑をかけるなってこと?」
「それもまあある」
「も?篤さんに心配かけるな?」
「それもあるけどそれは俺が差し出口を挟む話じゃない……お前は女性初の特殊部隊員で、故に当然
ながらこういう状況の前例も内規もないよな」
「あ、うん、だから防衛部の前例を参考に独自に作っていこうという話になってたよね」
「それはつまり、お前の行動がそのまま特殊部隊の前例になり、組織としてその前例を元に内規がで
きてしまうってのはわかるか」
虚を突かれ、黙って頷く郁に、手塚は穏やかなまでに訥々と語りかける。
「お前も知っている通り、安達が……お前を目標に図書隊に入ってきた奴がいる。ひょっとすると今
後もそういう奴が現れるかもしれない。彼女たちが特殊部隊を目指した時、お前という前例があるが
故に無理をしてしまう事態も、逆に、仕事と結婚や妊娠を天秤にかけなければならないような事態も
作りたくはない。以前、お前は自分のスペックを考えろって言った事あるよな。あの時は力加減だっ
たけど、今は自分と、自分に続く者達の未来のために考えて行動してほしいんだ」
一拍おいて言葉を続ける。
「俺自身、副官としても同僚としてもお前がいなくなるのは惜しいから、だから……頼む」
深く頭を下げる手塚の耳が赤い。素の本音で話をしていると郁は気づいた。
「……わかった。できるだけ無理しないように行動する。」
顔を上げた手塚が、郁と目線を合わさないように天井を眺めつつ足を崩したのは照れ隠しということだろう。
「俺の方は以上だ。」
「だと次は私の用ね」
柴崎が先ほど置いた紙袋を差し出す。
「これ、私と手塚の連名でプレゼント」
郁は小首を傾げながら受け取る。中から出てきたのは、大判のフリース製ひざ掛けと低反発クッショ
ンだった。
「残暑が厳しいからって館内冷房効きすぎだし、これから寒くなっていく一方だから座り仕事も楽
じゃないと思って。」
「あー、確かにこの一週間座っててカウンター業務の椅子ってこんなにしんどかったっけと思った。
仕事が合わないからってだけじゃなかったんだ」
「お前なぁ、合う合わないの問題じゃないだろそれは。合わせろよ」
ひとしきり笑った後、二人に向かって郁はぺこりと頭を下げた。
「気を使わせてごめん、で、ありがとう」
「何かしこまってるのよ。それよりそろそろ夕飯の支度もあるでしょ。私達お暇するわ」
言うが早いか使った食器を台所に運び、手早く洗物を済ませると、柴崎と手塚は帰っていった。玄関
の戸締りを済ませて居間に戻った郁は、先ほどもらったひざ掛けを畳み直すと自分の下腹部にそっと
手を当てて呟いた。
「あたしと、あたしに続く者達の未来のために、か……この子もその一人だよね」


end







まさかの手塚メイン?の三次創作をいただけるとは思いませんでした。
頑張る手塚君と一気に堂上並に成長している手塚に惚れ直しました。

さりげなく、郁本人に注意を促す!
柴崎アドバイスがありとはいえ、オトコマエだ。

いい友人をもって郁ちゃん幸せだな、オイ!と改めて思いました。

AZRAEL 様 素敵な物語をありがとうございます。



13:22 図書館SS(堂郁)

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