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朝のぷち☆連続ドラマ小説 『新しい日々への扉』 17

2008/09/11
おはようございます!

木曜日ですね。
私は今日も研修だ。

もう既に眠くて堪らない・・・・・・。
今日は6時半すぎに出発なので、さり気なく早朝投稿。

郁ちゃんだったらここで熟睡だよねと思いつつも
熟睡できる余裕はないので、必死にかじりついて記憶に務めます。

休み時間に目薬差しまくってがんばる!
皆さんも頑張ってきてくださいね~~~。

今宵もお返事が無理だけど、コメントだけはしっかり研修合間のお楽しみに拝読しています!!
本当、ありがとうございますー。

今日はちょっと長め!!
その代わり明日は短め☆

バランス悪いけど切れ場の関係で(笑)


堂郁 年齢フリー 夫婦設定 テーマ:郁ちゃんの妊娠~出産をワンシーン方式?で

こういうテーマは苦手だって言う方はスルーしてくださいね。

これはあくまでもイメージ小説でありリアリティは追及していません。
そして基本苦情は受け付けません。
また、この作品は別冊2の前に書かれた作品である為、時系列が
原作と違っている点がありますが、今回は修正しません。ご了承下さい。



朝のぷち☆連続ドラマ小説 『新しい日々への扉』 第十七話




明日から郁が産休に入る。
無事に産休まで漕ぎ着ける事ができた。

お腹も大分大きくなり、何かというと不安で仕方なかったが
後はゆっくりとその日まで休んで、健やかな子供を産んで欲しい。

やっと産休に入ってくれることに堂上は一人ホッと胸をなでおろした。


無事に最終日の定時を迎えた事務室にはタスクフォースの隊員のほぼ全員が集まっていた。
視線の先には玄田と郁。

先輩達に埋もれる形で堂上も二人を取り囲む輪に加わっていた。


「あー。まあもう全員知ってると思うが、明日から笠原が産休だ。しばらくはまたムサイ男やもめだな!」
とガハハっと笑い、郁をグイっと前へ押し出す。
なんか言いたければ言っておけと郁へ挨拶を促した。

郁は苦笑しながら、全員の顔を見て頭を下げた。

「えっと・・色々、ご迷惑をおかけしましたが明日から無事産休に入ります。
 復帰まで1年ほど不在にしますが、復帰の際にはまた宜しくお願いします」

「元気な子供産めよ!」
「見に行くからな!」

と温かい声があちこちから聞こえて思わず郁は涙ぐんだ。

そんな郁の涙を吹き飛ばす勢いで玄田が豪快に笑う。

「なんだ湿っぽいな!!」
「ちょ!浸らせてくださいよ!こんなの滅多にないんだし」
「たかが徒歩5分の官舎に引っ込むぐらいで大げさだ!」
「ちょっと引っ込むくらいって!一年も休むんですよ?もっとこう、寂しくなるな。とかないんですか!」
「おう、そうか。折角の夫婦喧嘩がしばらく見られないのは楽しみが減るな」

「いつ夫婦喧嘩したんですか!」

と郁と堂上の反論が被り、事務室が笑いに包まれる。

「もうー!折角、しおらくし挨拶しようと思ったのに」
と郁は頬を膨らせる。

けれどその手は無意識に大きく膨らんだ腹部に当てられていた。

「まあ、ちょっくらいってくるぐらいの気持ちで休め。
 どうせすぐソコの官舎だからな、働きたくなったらいつでも来い。無給でこき使ってやる」
と郁の肩をいつもより幾分ソフトに叩いた。


妊娠初期の頃ならば、堂上がすごい勢いで怒鳴ったりする事があったが
さすがに、この時期までくると少しは慣れたのか、苦笑して見ているだけだった。

郁は改めて回りに集まってくれた仲間の顔を一人一人ゆっくりと見つめる。

初めて妊娠に気づいた日から、そんなに時間が経ったとは到底思い出せないほどに
あの日の事を鮮明に覚えている。

死ぬ時は走馬灯のように記憶が巡ると聞いた事があるが
こんな瞬間に、たくさんの思い出がこんな風に溢れてくるなんて思いもしなかった。


堂上にも柴崎にも手塚にもいくら伝えても足りないくらいの気遣いを安らぎを貰った。
そして、ここに集まる仲間達にもたくさんのフォローを貰った。

資料をもって歩いていたら、そっちに行く用事があると代わってくれたり
落し物を拾おうとしたのを代わりに拾ってくれたり

本当にとてもささやかな
それでいて、とても温かな気遣いがいつも自分の周りに溢れていた。


戦力にならない自分を『迷惑』と弾く仲間が出る可能性も覚悟していたのに
そんな雰囲気を感じた事は一度もなかった。

ただ静かにほんの少しだけ手を貸してくれた。
郁が居づらくならない程度の絶妙な匙加減だった。


こうして、職場の人に祝福をしてもらえる自分たちはどれだけ幸せなのだろうか。
本を読んだりしていて知ったが、子供が出来ると職場で周りの反応が冷たくなり
辞めざるを得なかったという実話もたくさん掲載されていた。

通常の事務仕事でもそうならば、身体が資本の戦闘職など
子供を産んで戻れる場所ではないのではないかと、恐怖した。

そんな折に見た、とあるテレビ番組。
働く女性の特集番組だった。

郁の目に留まったのは自衛隊の輸送機で機長を務める女性自衛官だった。
自衛隊の中でたった数%しかいないという輸送機の機長を務めるという
それだけでも、驚いたのに、なんとその女性自衛官が一児の母である事に
目が釘付けになった。


夫の協力と周りの理解、自分の意思、そして努力だと笑った女性の
強い信念に溢れた輝く瞳と明るい笑顔が胸に沁みた。

親の理解を得るのは難しく、子供も幼い内は寂しい思いをさせる。
それでも仕事を辞めようと思ったことはないと。

いつか子供には必ず理解してもらいたいと、語る女性の放映が終わる頃には
自然と頬に涙が伝っていた。


たくさんの覚悟必要なのだと。
自分が大事なものを全部守るには大変な努力と覚悟が必要なのだと。

改めて気づかされた。
そして、勇気が沸いた。

それまで心に堪っていた澱が綺麗に消えた瞬間だった。

運良く、夫の協力も周りの理解も得られた。
後は自分の意思と努力。

郁はありがとうございますと心から告げた。
頭は自然と下がった。

いつか祖母から聞いた言葉が頭の片隅をよぎった。
『本当に有難いと思ったら、頭は自然と下がるものだ――』と。

ああ、本当だ。
自然と下がるね。


頭を下げると自然と水分が降りてくるようで、再び目尻に涙が溜まる。
頭が上げられない。そう思っていたら、すぐ近くに人の気配がした。

反射でふと頭をあげると、小牧が目の前に来ていた。
その手にはカミツレをあしらった花束。

「堂上三正、お疲れ様。これは皆から。元気な子供産んでください」

郁は震える手で花束を受け取った。
まさかこんな事までしてもらえるとは思っていなかった。

「ありがとうございます。お花・・綺麗」
「まあ、この隊じゃ今のところ女性は一人だから、こんなイベント滅多にないしね
 花は俺のセレクトなんで、お気に召さなかったら堂上に買ってもらって?」
といつもの笑顔で小牧に笑われて郁はすごく嬉しいですと笑い返した。

「よかった。復帰待ってるから。産まれたら毎日見に行くよ」
「是非きてください。予行演習になると思います」

と冗談めかして言うと、小牧はちょっと面食らったような顔をして
じゃあ毬江ちゃんと行こうかなと微笑んだ。


盛大な拍手で、挨拶は終わった。
それぞれ、中断していた任務へと戻る隊員たちをその場で見送る。

いつでも遊びに来いと笑う者
生まれたら押しかけるぞと笑う者

皆、それぞれ一言声をかけて、事務室から出て行った。
残った隊員たちがほぼ席に戻ったのを見届けて、郁は自席へと戻る。

復帰の予定なので持ち帰る荷物などは殆どなかった。
自分のデスクを綺麗に掃除する。

一年後にまたここに戻ってくるのだ。

何だか名残惜しい気がしていたら手塚と目があった。

「お前、一年の間に仕事忘れない様にしっかり記憶とどめて置けよ」
俺はまたイチから説明するのはゴメンだからなと嫌味を言われて苦笑する。

その言葉の裏には『心配しなくても一年間待ってる』
その想いが隠されている事はもう聞かなくても解る。

「解ってる。長く留守にするけどごめんね」
「別にお前がいなくても大して負担じゃないから気にするな」
「全くすぐそういう事言う!」
「こっちの事は気にしなくていいから、堂上一正の胃に穴をあけるような真似すんなよ」
「大丈夫だよ!もうあとはゆっくりするだけだし!」
「お前のその暢気な所が心配なんだよ!」

と怒鳴り返されて郁は苦笑した。

「いつでも遊びに来て」
「あー。まあ生まれたら一応顔くらいは見に行く。堂上一正の子供だからな」
「あーハイハイ。憧れの堂上一正の子供を産むのがあたしで悪かったわね!」
「全くだ、」と言葉を続けようとした手塚を郁が遮る。
「堂上一正の趣味が未だに解らんとか言ったらぶっとばすわよ!」
「お前エスパーか?」

とここまで会話して手塚と目を見合わせて笑う。
いつだったかこんな会話をした。
手塚も思い出している様で、道場で決闘は無理だな。
復帰まで保留にしておいてやると、意地悪く笑った。

きょとんとしている班員に、挨拶をしてから郁は行動予定表の自分のネームを裏返す。
期間を記入して産休と丁寧な字で記す。


戻ってくるその日までこの文字は残ってるのかな――


そんな事を考えていたら引っ込んだはずの涙が再び滲む。
泣いたら駄目!

しばらくそうしていたら、後ろに気配を感じた。
振り返らずとも解る。

親しんだ温かな空気は、堂上のものだ。

「帰るか?」と静かに問いかけられて、堂上が様子を見ながら待っていてくれた事を知る。
「はい」と頷くと、荷物を持ってくれた。

「俺も帰る。一緒に帰るぞ」

チラリと振り返ると事務室に残る隊員たちが皆こっちを見ていた。

お疲れ様でした。と郁が笑顔で挨拶をする。
その目尻に僅かに滲んだ涙はご愛嬌だ。


気をつけて帰れよ。お疲れ様。

いつもと変わらない挨拶と、いつもと違う視線に見送られ
郁は後ろ髪引かれるようにして事務室を後にした。



庁舎を出て、官舎へと向かう。
人気の途絶えた所で、堪えていた涙がポロポロとこぼれた。

郁と名前を呼ばれて目をごしごしと擦る。

「ごめん。なんか色々胸にグッときちゃって」
「いや、色々思う所があるだろ。すまんな。代わってやれなくて」
「篤さんのお腹おっきかったら怖いし」

と笑うと、堂上もそれは確かに気味が悪いなと笑った。
切なさに埋まっていた心がほんの少し軽くなる。


これは終わりじゃない。始まりなんだ。
おなかの子供を無事に産んで、育てて、そしてあの場所に戻るのだ。


振り返ると、庁舎の入口が見えた。
たった今出てきたばかりのその場所が酷く遠い――


しばらくそうして佇んでいると、肩に温かい物が触れた。


「郁。どうせすぐそこだ、来たかったらいつでも顔だせばいい」
「そうだね・・。図書館に行けばチラチラ会えるしね」

そういう時、官舎って便利だと思うよな。
と手をつながれて郁もその手をギュっと握り返した。


***


郁と堂上が帰っていた事務室は静かにいつもの様相に戻った。

手塚も残りの書類にペンを走らせる。
そして、ピタリとペンを止めて溜息をついた瞬間
「班長?」
と呼ばれて手塚の肩がビクリと震えた。

振り返ると、立っていたのは小牧だった。

「小牧一正」
「随分、疲れてるみたいだね」
「――まあ。そうですね」

と渋い顔で頷くと小牧がククっと笑った。
「お疲れ様。なんとか無事産休に入ってくれて肩の荷も下りたんじゃない?」
「・・・。まあ、いつ転ぶか、いつ落ちるか気が気じゃなかったんで」
「だよね。あの笠原さんが大人しくしてる訳もないしね」
「あいつはどんだけアホなのかと改めて感じました」

と拳を作って力説すると、ポンと小牧が手塚の肩を叩いた。

「無事、笠原さんを産休まで送り出せたお祝いにビールご馳走しようか」
「いいんですか?」
「缶ビールでよければね」
「では、喜んで」
「じゃあ仕事片付けて、落ち着いたら俺の部屋に来なよ」


そう言うと、小牧はじゃあまた後で、お先に。
と事務室を出て行った。


お疲れ様ですと返しつつ、ホワイトボードに書かれた、堂上 郁の欄をじっと見詰める。


特殊部隊に入隊してからずっと、なんだかんだと隣にいた賑やかな存在が
明日から1年もの間いないというのはなんとも言えず不思議な気分だった。

初めて出会った時には、なぜこんな女と自分が同格なのかと悔しく思ったりしていた日々が脳裏に浮かぶ。
そんな自分が、どれだけ思いあがっていたかを後になって知った。

山ザルの様に飛び回り、上官に蹴りを入れるなんていうあり得ない暴挙を繰り出していた同僚が母親になるのだ。

正直、大丈夫かよ。と思わないでもなかったが
その想いが杞憂に終わりそうだと今では感じる事が出来る程度に彼女は落ち着いてきた。

そんな彼女を心配する、堂上に面を食らう事も多々あったが
時折、酷く幸せそうな顔で郁を見詰める堂上の姿があまりにも幸福そうで
正直羨ましく思った事も何度もあった。

いつか、俺にもくるのだろうかと。
そう思ったときに浮かんだ女の顔に手塚は思わず苦笑する。


ふと、時計を見ると随分と時間が経過していた。
あまり小牧を待たせるわけには行かない。
手塚は頭を軽く左右に振って雑念を払い、手塚は視線を書きかけの書類に戻す。


その頬が僅かに緩んだが、それは誰にも見咎められる事はなかった。





というわけであっという間に産休に入った!!

早くてゴメンなさい~~
あとはもうマッハだから!!

ちょっとまったりエピソード挟んで一気に行きます。

あと少し、お付き合い下さいね☆

ちなみに、郁ちゃんが見たテレビは私も見た。
感動しましたよ。
有川先生の描いた空の中の女性パイロットはこの人なのかなと思うくらい素敵な方でした。

きっと同じように男社会の中で頑張る女性に勇気を与えたんじゃないかなって思います。
頑張る女性でない私もすごく感じるものがありましたから。

郁ちゃんも必ずや信念を持って図書隊に戻る事でしょう。
そして子供もその想いをいつの日か理解してくれるといいとリアルに思った自分の頭のネジは
飛びすぎですか?(笑)
06:09 図書館SS(堂郁)

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