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セピア色の・・・ =兄と篤=

2008/07/11
おはようございます!

金曜日ですね!ワッショイワッショイ!!

嬉しいなぁ。
土日休みの皆さんは明日明後日はお休みですね♪

本日は、金曜日という事で読みきりで。

リクをたくさん頂いた、セピア色の番外で兄ちゃんと篤さん編小話。
ヤマオチなしのまったりしたお話なので。読み流してください(苦笑)

堂郁(兄篤) 年齢フリー 婚約期間 兄と篤さんのサシ飲みで。




この店なんだ。

そう案内された店は落ち着いた雰囲気だ。

全てが半個室や個室になっており、タスクフォースでは絶対利用しないような
上質な空間だった。

店員に案内されて半個室へ通される。

こじんまりとしているが、ゆっくり話ができそうだ。

「いい雰囲気のお店ですね」
「そう言ってもらえて良かった。仕事で来て気に入ったんで
 ここぞって言う時には利用してるんだ」

兄はメニューを開きつつ堂上の方へと差し出す。

「とりあえず生ビールのジョッキでいいかい?」
「はい。それで」

さすがに郁の兄とはいえ、初対面の人間とサシで飲むのは多少緊張する。

いや、郁の兄だからこそ緊張するのかもしれない。

「何にする?結構何でも美味いですよ。ここは」
「では、お兄さんのお勧めで」

というと、兄がフッと目を細めた。

その表情がなんとなく郁に似ていてドキっとした。

背が高いという共通点以外はさほど顔立ちが似ているとは
思わなかったが、こうしてよく見るとパーツなどは結構類似点がある。

やはり兄弟だ。

「じゃあ、俺が適当に。好き嫌いは?」
「ありません」
「じゃあ、コレとコレ。結構食べる方?」
「そうですね。それなりに」
「じゃあ多めに」

俺も結構食うから。篤君驚くかもなと笑われて
先日郁の実家に挨拶に行った日の事を思いだす。

夕食に誘われて二人のお兄さんと食事をしたらその量に驚く。
郁も女性にしてはよく食べるが、兄達の食事量はハンパなかった。

自分もこういう職種に就いている為、それなりに食べる方だと思っていたが
圧倒された。

このぐらい食べればこういう体つきになったのかもしれないなどと
羨ましく思ったほどだ。

そして振舞われたのは全て郁の母親の手料理だった。
見た目も味も凝ったものばかりでそれにも驚いた。


自分の自宅では母親が多忙な職業についている関係もあり
出来合いやインスタント、レトルトなどしょっちゅうだ。
来客があっても宅配を頼んだりすることも良くある。

母親曰く料理にあまり自信がないかららしい。

それを不満に思ったことはない。
忙しい中で必死で時間をやりくりしている姿を見ていたからだ。


考え事をしていたら生ビールが運ばれてきた。

「じゃあとりあえずカンパイで」
「はい。今日は有難うございます」
とカンパイをしてビールを一気に飲む。

冷えたビールが訓練後の身体に染み渡る。

「結構いけるほう?」
「それなりですが」
「なら、これから楽しみだ。笠原家の男は飲むから」
「郁さんは弱いのにお兄さん達は強いんですね?」
「ああ、郁は母親似だからな」
「そうなんですか」
「あんなふうに嫌がっちゃいるが、結構母親似なんだ郁は」
「似てるからこその反発というのもあるかもしれませんね」


兄は何かを思い出している様な顔をしながら苦笑した。

「しかし、あの郁がこんなに早く男を連れてくるとは思わなかった」
「・・そうなんですか?」
「あの通り男勝りで、俺たちもついつい弟みたいに鍛えちまったから
 すっかり女らしさを敬遠するようになっちまって。気づいた時にはアレだからな」

アレの意味が解る様な解らないような。

入隊時の郁の感じだろうか?

「可愛いカッコはしたがらない。陸上ばっかりやって彼氏の一人もつれてこない
 挙句に図書隊だ。もう全部貴方達のせいよ!ってオフクロに散々怒られたからな」

いやー、コレでこっちも肩の荷がおりるってもんですと兄はビールを傾けながら苦笑する。

「そんな事が・・」
「まあ、まさかその図書隊でこんなイイ男を釣ってくるとは思わなかったよ」

その言葉に堂上は困った様に肩を竦めた。

「郁さんにとって自分がイイ男であるかどうかというのはわからないのですが
 少なくとも自分にとって郁さんは最良の人であるとそう思っています」

その言葉に兄がブッとビールを噴く。

「いや、すいません。噂に聞いてた通りの人柄だったんで思わず」
「噂・・ですか?」
「真面目で、堅そうで、郁にほれ込んでる」

その言葉に堂上は思わず赤くなった。

笠原家でその様に言われているとは・・自分はどれだけ臆面なく
郁を褒め称えたのかと思うと今更ながらに火が出そうだ。

「すみません。郁さんを大事に想っているという事を伝えたかったのですが
 どうも表現が下手なようで」
「いや、もう充分伝わってますから。オフクロなんて物凄く喜んじゃって
 郁の王子様は素敵だわぁ。二人の子供が早く見たいわなんて言っちゃって」

その言葉に堂上が今度は咽た。

「いや・・その・・」
「一人娘なんで張り切ってるんですよ。まあ二人の仕事柄すぐには無理でしょうが。 その内に」

と笑われて、堂上も赤くなりつつ頷いた。

「しかし、よくあのニブチン相手にここまで持ち込めたと弟達と話してたんですよ」
「ニブチンですか?」

確かに郁は鈍い。

男に免疫がないのは解るが、それにしても自分に対しての特別な好意に
殊更鈍いのは何故なのか。

アレだけの乙女思考ならばもしかして!と思いそうなものだが・・・・。

「やー。鈍いですよ。高校や大学の時も必死にアプローチしてそうな男が
 チラチラいましたが、笑顔でスルーしているのを見た時には
 こいつは、好みにうるさいのか本当に解ってないのかと弟達と賭けたもんです」

と懐かしそうに笑う。


郁に想いを寄せていた男がいるというのは心穏やかではないが
鈍い妹を賭け対象にするというのがタスクフォース的ノリで思わず笑ってしまった。

郁が男だらけのタスクフォースの悪ノリに普通についてこられるのは
兄達のお陰なのかもしれない。


「しかし、その賭けは結果がわからないのでは?」
「いや、本人に聞けば一発ですよ」
「聞いたんですか?」
「もちろん。そしたら、大兄ちゃん何言ってんの。あたしみたいなデカイ女がいいっていう
 男の人なんかいないってば」

と笑ってましたよ。

あまりに郁らしくて苦笑した。

誰よりも自分の女らしさにコンプレックスを持っている郁は
そういう好意をなかなか素直に認められないのだろう。

いくら自分が可愛いといっても可愛い訳ないですと困った様に赤くなる。
色気の欠片もないと自分で言いつつも、腕の中では信じられないほど甘い声で啼く。

絶対教官よりあたしの方が教官が好きだと言い切っているが
多分俺のほうがあいつの事を好きだ。そう告げてもきっと信じない。



しかし、今はその純粋さというか鈍さがあってよかったと思える。

自分の腕の中に、飛び込んできた純白の身体を
想うままに染め上げられる喜びは計り知れない。

勿論過去は過去だが、ないのならばないに越した事はない。

思わず頬が緩んでいた様で、兄に笑われた。

「その様子だと、やっぱり篤君からのアプローチ?」
「いえ・・・」

と言葉を濁すと、兄は目を丸くしてじゃあ郁が?と聞いてきたので頷く。

「いや、そうなんだ。てっきり逆かと。あの郁がねぇ。」
「郁さんから告白というのはそんなに驚くことですか?」
「あいつコンプレックス凄いから、自分から行くって意外だったんで」
「過去の話を聞くと、自分からは結構行ってたみたいですよ。相手からのNGだと」
「そうなのか。それは知らなかったな。やっぱり解らないもんだ」

と兄は残念そうにグラスを傾けた。

「この間まで、子供の頃と変わらない郁のつもりだったが、いつの間にか
 女になっちまうもんですね」
「自分にも妹がいるので少しは気持ちが解ります・・」

あくまでも少しだ。
あの妹と郁ではキャラが違いすぎる。

「そっちも妹さんなんだ。かわいいでしょ?」
「はぁ。まあ・・少々奔放ですが。それなりに」

と篤は苦笑しながらグラスを傾ける。

妹が聴いていればすかさず突っ込まれる所だ。

「奔放でもわがままでも男勝りでも妹は妹だ、かわいいもんです」

その言葉で兄がどれほど郁を大事に思っているのか
察して余りある。

多少申し訳ない気持ちで。そうですねと頷くと、ペコリと頭を下げられた。

「さっきは、篤君が郁に惚れ込んでると言ったけど、郁も相当篤君に惚れてるから」
「・・いえ。そんなことは」
「あいつ、しばらく見ない間に女の顔するようになったからね。篤君が郁を変えてくれた。
 その事を俺達はね、悔しいと思いながらも嬉しく思ってるんですよ」

篤が答えに窮していると、兄はフッっと笑った。
やはりその笑顔もどことなく郁を思わせる。

「あんな妹ですがこれからも末永く宜しくお願いします」
「こちらこそ、不器用で気も利きませんが。宜しくお願いします」

そういってもう一度の見かけのビールジョッキをカツンとぶつけた。



妹に男が出来るというのはどういう気持ちなのか思い描いてみる。
自分の妹を想像するが、やはりキャラが違いすぎる。

相手にこんな妹でいいのか?と聞きたいくらいだ。


それでも、相手の男がロクでもないもんだったら嫌だとは思う。
さして妹を溺愛していない自分でもそうなので、郁の兄達にすれば
相手がどんな男が心配でならないに違いない。

絶対に認めないなどと出られたらどうしたものかと思うところだったが
歓迎されている様子に少し安堵した。

色々聞きたいことがある。口を開こうとしたら携帯が震えた。

メールのようだ。

「スミマセン失礼します」

といってメールを確認する。

メールは小牧からだった。何かあったのかと思ったが
タイトルで仕事ではなさそうだと思い至る。
添付ファイル付だ。



タイトル:セピア色の


同窓会で楽しむ笠原さんを見つけたので
記念写真を送ります。


どうやらお前よりも先にあのコに目をつけてた
男がいたみたいだね。

出遅れに感謝?


=小牧=


添付ファイルを開くと困惑顔で知らない男に抱きつかれる郁が映っている。

思わずガタンと席を立ってしまい兄に驚かれた。

「どうかした?篤君」
「すみません。ちょっと・・急用で」
「仕事でなにか?」
「いえ、郁さんがちょっと」
「郁がどうかしたの?」

そういってチラリと携帯を覗いて、目を見開いた後苦笑した。

「ごめんね。無防備な妹で。悪気はないと思うけど」
「解ってます。ただ・・」
「今日はこれでお開きにして、一緒に迎えにいきますか」

と笑われて堂上は思わず赤くなった。

しかし、こんな写真を送られてはいてもたってもいられない。

なんで小牧がいるのかと思ったが、今はそれどころではない。

会計時に自分が払うと主張したが、今回はこっちが誘ったからと
ご馳走になってしまった。

「では今度は自分がご馳走します」というと楽しみにしてると笑顔で返された。

「じゃあ、お姫様の迎えに行きますか」

と歩き出した兄の横に並び足早に郁の同窓会会場へと向かった。






セピア色の・・・のウラ小話でした。

大乱闘!
嫌味大会!
ノロケ大会!

と色々想像を頂きましたがいたってフツウ。

いくら郁ちゃんに投げっぱなしジャーマンな兄でも
大人の男だしいたってフツウに。

と書いてみたら、あんまヤマオチのない一品に仕上がりました。
07:06 図書館SS(堂郁)

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